オーダースーツで3年連続200%成長を続けるFABRIC TOKYO 大企業キラーの裏に「D2C」モデル:リピート率は業界平均の1.5倍(2/3 ページ)
オーダーメイドスーツを手掛けるFABRIC TOKYOが新たなビジネスモデルを展開する。同社はB2Cモデルを武器に成長を続けている。新たにAppleも展開する「RaaS」モデルを掲げ、サブスクリプションやサーキュラーエコノミー、スマートファクトリー構想などを発表。
D2Cを加速させる「Raas」
9月26日の記者会見では、「D2Cの先へ」と称し、新たなビジネスモデルも発表された。それが「小売りのサービス化」である「Raas(=Retail as a Service)」だ。森氏はRaaSモデルを展開する企業としてAppleを紹介。AppleはiPhoneというデバイスを基軸に、Apple Pay、Apple Music、AppleCareなどの周辺サービスを展開している。こうした事例を参考にファブリックトウキョウでは、サブスクリプションとD2Cを組み合わせたサービス「FABRIC TOKYO 100」を開始する。
同サービスは、月額398円(税込)で、料金は10月以降も変わらず、ユーザーの抱えるビジネスウェアに関する課題を解決する。第1弾として、保証・交換・補修といった領域でのサービスを開始。同社の提供するスーツは、オーダーメイドであるが故、「体型の変動があるから買いづらい」「到着するまで実物を見られず、仕上がりに不安がある」といった声が寄せられていた。
これに対応する形で、同サービスでは体型の変化によるサイズ直しに何回でも対応。また、商品の到着から100日間に限り、作り直しにも対応する。季節を問わず着用するため補修が必要となる頻度が高いスラックスについては、生地代を取らず補修する。他にも「着こなしサポート」や「クリーニング・保管サポート」を順次発表していくという。
森氏はサブスクリプションの展開について「コアユーザーは年に4、5回も商品を購入している。しかし、裏を返せばユーザーとの接点が年にそれしかないことになる。もっと接点を増やしたいと考えた」と話す。サブスクリプションを導入するも、収益化できずに撤退する企業も少なくないが、「苦戦している企業は、物流や梱包などのコストに困っているのでは。弊社のサービスでは『モノ』を介在しないため、十分に収益化できると考えている」(同氏)。
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