牛丼チェーン三者三様 すき家はワンコインセット投入で「安さ」を追求?:期間限定のランチセット
すき家が期間限定でランチタイム向けにワンコインセットを提供する。2種類から選択し、最大で80円お得になる。なお、テークアウトは対象外。「増税で世間が暗いムードの中、少しでも明るく元気にしたい」と担当者は話す。牛丼3チェーンを比べてみると、すき家は低価格路線が目立つ。
牛丼チェーン「すき家」は、10月16日から11月19日の期間限定で、「牛丼(並盛)ランチセット」(税込500円)を販売する。午前11時〜午後2時のランチタイム限定で、バリエーションは2種類。牛丼(並盛)、サラダ、みそ汁、卵のセットと、牛丼(中盛)とみそ汁のセットから選ぶ。それぞれ通常のセット料金と比較して、80円と60円ずつ安くなる。なお、テークアウトは対象外。
10月から消費税が上がり、外食チェーンには逆風となっている。牛丼チェーンでは、吉野家が店内飲食とテークアウトでそれぞれの税率に応じ、価格を分ける方式を採用。すき家と松屋は、価格を統一する一物一価方式を採った。
ワンコインを強調した今回のセットについて「消費増税で外食チェーンの値上げが続く中、価格面で訴求できるセットを企画した」と担当者。「増税で世間が暗いムードの中、少しでも明るく元気にしたい」とも話した。増税の影響については、まだ期間が短いこともあり明かさなかった。
店内飲食のみで提供となることについては「ランチタイムはお客さまが多い時間。テークアウトも対象とすると、容器に入れるなどのオペレーションが店舗の負担になると判断した」と説明している。
競合の吉野家では、「超特盛」(税別723円)や期間限定の「特撰すきやき重」(税別797円、現在は販売終了)など高価格帯メニューを充実させている。10月9日に発表された第2四半期の業績では、こうした高単価路線が功を奏してか大幅な利益増を達成した。松屋では、20年以上前のメニューを復刻させたり、グループ内のカレー業態のメニューをアレンジして販売したりとメニュー面でのアピールが目立つ。
今回のセットは期間限定だが、お客の反響を見つつ、期間延長なども検討するとしている。偶然かもしれないが、すき家、吉野家、松屋の各Webサイトにアクセスしてみると、すき家は特に価格面のアピールをしているように見受けられた。増税で各チェーンの競争が激化する中、すき家の戦略は「安価」路線となっていくのだろうか。
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