口コミ・チラシで集客する「おしゃれ過ぎない」美容院 驚きの立地戦略で売り上げ爆増中:キーワードは「メンテナンス」(1/2 ページ)
白髪染めなどをメインに手掛けて急成長を遂げているチョキペタ。2011年に営業を開始し、9年間で売り上げはおよそ100倍。カラーリングやシンプルなカットなど、主に40代以上以上の女性を中心に支持を広げている。売り上げ爆増の背景にある驚きの立地戦略とは?
街中に多く見かける美容室。今やその数はコンビニや歯医者の軒数をもしのぐといわれており、厚生労働省発表の「平成30年度衛生行政報告例の概況」によると、2018年度末時点で全国に25万軒以上が営業している。日本フランチャイズチェーン協会が発表している「JFAコンビニエンスストア統計調査月報(2019年3月度)」では、19年3月時点で全国のコンビニは5万5000軒ほど。実際に、美容院はコンビニよりも多く街中に存在している。
店舗数が多くなるにつれ、消費者はどの店に行けばよいか迷うことになる。こうした背景から、リクルートライフスタイルが運営する「ホットペッパービューティー」などの予約サイトが生まれており、今やその影響力は測り知れない。
そんな中、美容室大手のアルテサロンホールディングス(横浜市)のグループ会社であるC&P(横浜市)が運営する美容室「チョキペタ」は、ホットペッパービューティーなど予約サイトに頼らず、口コミやチラシといった集客方法で売り上げを伸ばし続けている。その裏側には一体どのような仕組みがあるのだろうか。C&Pの置塩圭太社長に取材した。
9年間で来店客数80倍、売り上げはおよそ100倍に
チョキペタは11年にスタート。「ヘアメンテナンスサロン」というコンセプトを掲げ、ヘアスタイルをキープすることを目的にした利用を見込んでいる。メニュー構成もシンプルだ。カットとドライが1300円(税込、以下同)、カラーも根元染めが1900円、全体カラーでも2900円とお手頃価格のメニューを取りそろえている。
当初は2店舗のみで、売り上げも1500万円ほどだった。しかし、同社の決算資料によると19年計画として売り上げ規模を14億2000万円ほどと見込んでいる。来店客数も、11年実績で8000人だったところを19年計画では64万人ほどを見込む。
「当時、カットはいらないから白髪染めだけしてほしい、といったニーズに応えるカラー専門店や『QBハウス』さんのように、気軽にカットをしてもらえるような美容室が存在した。チョキペタはその両方のいいとこ取りをし、ワンストップでメンテナンスサービスを受けられる形で始めた」と置塩社長は話す。
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