人生100年時代の到来 「30年ぶり現場復帰」の美容師が活躍する急成長美容院:売り上げは9年でおよそ100倍(1/3 ページ)
美容院業界の課題「休眠美容師」。うまく活用して売り上げを伸ばし続けている美容院がある。研修制度や現場の効率化を果たし、働いている美容師の半数以上が休眠美容師だ。中には30年ぶりに現場復帰した美容師もいる。
店舗数が多く、競争も激しい美容院業界。各店がしのぎを削る一方で、業界を取り巻く課題として挙げられるのが、資格を保有しつつも美容師として従業をしていない「休眠美容師」の存在だ。
美容院業界は、指名客の奪い合いや売り上げのノルマ、また終業後に開かれる勉強会といったさまざまな要因により、労働環境が厳しい業界とされる。やや古いデータにはなるが、厚生労働省の資料によると2013年度末時点で美容師免許の登録者数はおよそ124万人。理容師美容師試験研修センターが発表している「過去の試験実施状況」を見ると、美容師国家試験は毎年1万8000人〜2万人規模で合格者が出ているため、現在では合格者数を足し上げていくと、18年度までで130万人超が美容師免許を保有していると考えられる。
一方、美容師として従業している人の数は、厚生労働省発表の「平成30年度衛生行政報告例」によれば、2018年度末時点で全国に53万人ほど存在している。つまり、80万人超の人が、美容師免許を持っていながら美容師以外の仕事をしていることになる。
こうした休眠美容師を活用し、売り上げ拡大につなげているのが「チョキペタ」だ。同店は、美容室大手のアルテサロンホールディングス(横浜市)のグループ会社であるC&P(横浜市)が運営する美容室。11年の創業以来、9年連続で店舗数と売り上げが拡大しており、売り上げにいたっては100倍近い成長を見せている。
(参考記事:口コミ・チラシで集客する「おしゃれ過ぎない」美容院 驚きの立地戦略で売り上げ爆増中)
C&Pの置塩圭太社長によると、チョキペタで働いている美容師の半数以上が休眠美容師だという。現場から離れた期間が長く、再び美容師として働き始めることに不安を感じる休眠美容師も多そうだが、チョキペタではどのような支援を行っているのだろうか。
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