人生100年時代の到来 「30年ぶり現場復帰」の美容師が活躍する急成長美容院:売り上げは9年でおよそ100倍(3/3 ページ)
美容院業界の課題「休眠美容師」。うまく活用して売り上げを伸ばし続けている美容院がある。研修制度や現場の効率化を果たし、働いている美容師の半数以上が休眠美容師だ。中には30年ぶりに現場復帰した美容師もいる。
30年以上を経て現場復帰した休眠美容師も
チョキペタユーコープ白根店で働く浦田なお美さんは、30年以上を経て復帰した休眠美容師の1人だ。
浦田さんが美容師免許を取得したのは20歳になる少し前。結婚するまでの数年間を美容院で働いていたというが、結婚を機に退職。長時間労働や、今でいう「パワハラ」などの過酷な環境が1つのきっかけにもなったという。その後、介護の仕事や飲食業を経て、数年前からチョキペタでカラーリストとして復帰した。
年齢や技術は不問としているところや、入社後の講習が充実している点、さらには勤務体系の柔軟性などに魅力を感じて応募を決めたという。美容師として最初に働いていた一般的な美容院とチョキペタとの違いを「終わる時間がきっちりしているところ」と話す。「一般的な美容院では、お客さまが来れば来るほど、閉店時間に関係なく対応して働く時間も長くなってしまう。チョキペタでは、カラーを午後5時まで、カットを午後6時までと時間を決めているので、遅くても午後7時には終わる」(浦田さん)。
復帰する中で困ったこともあったという。「講習を受けて自信が付いたと思っていたが、いざ現場に立ってみると緊張して手が震えてしまうこともあった」と浦田さんは話す。特にお客との会話は、いくらオリエンテーションで教えられても実際に立ってみると戸惑うこともあったという。ただ、徐々にコツをつかんでいった。同僚やお客に同じような年齢層の人も多いことから、「今では少しずうずうしいくらいかも」と笑う。「人生100年時代ともいわれているし、まだまだ数年は頑張りたい」と話す浦田さん。カットの講習を受けながら、今後はより技術に磨きをかけていきたいという。
美容師だけでなく、スキルはあるが労働条件が合致せず働くことを断念している人は数多くいるはずだ。人生はいよいよ「100年時代」ともいわれ、企業はこうした“眠る”人材を活用していくことが求められている。
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