“嫌煙”の時代にJTが考えていること たばこの選び方、マーケティング戦略、加熱式たばこ……商品企画部長に直接あれこれ聞いてみた:たばこの買い方、選び方、マーケティング、加熱式たばこの台頭……(4/4 ページ)
健康志向の高まりを受けて“嫌煙”も進む。国内たばこ産業のリーディングカンパニーであるJTはどう考えているのか。喫煙者はどのように自分の吸うたばこを決めているのか。やっぱり安いたばこが人気なのか。加熱式たばこへの考え方は? 商品部長に直接あれこれ聞いてみた
加熱式たばこへの考えは?
加熱式たばこに対してはどのように考えているのだろうか。「まだまだ『味』の面で選ばれている、という認識は薄い。周りへの配慮や圧力によって紙巻きたばこからくら替えする人が多い」と荒木氏は分析する。
加熱式たばこには大まかに2種類があり、「高温式」と「低温式」に分けられる。高温式では、フィリップモリスジャパンの販売している「IQOS」が高いシェアを誇り、JTは後塵を拝する状況となっている。
JTは低温式、高温式の両方を展開しており、高温式デバイスは19年8月に全国発売した「Ploom S(プルーム・エス)」だ。12月1日には7980円(税込、以下同)だったメーカー希望小売価格を半額未満の3480円にまで値下げし、シェア拡大に努める。高温式デバイスはフィリップモリスジャパンだけでなくブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンもデバイスも参入するなど、プレーヤーが増え始めている。
荒木氏は「(競合各社は)勝ちたい相手でもあるし、市場を盛り上げていきたい“仲間”としても考えている」と話す。「高温式デバイスは進化の途上にあると思っている。充電面やサイズ面でもまだまだ進化する余地がある。携帯電話が機能向上を追求し、一時期“異常”ともいえるような面白い進化を見せたように、加熱式たばこももしかすると想像がつかないような進化をするかもしれない」
低温式たばこに目を移せば、展開している「Ploom TECH(プルーム・テック)」「Ploom TECH+(プルーム・テック・プラス)」が高いシェアを誇っているという。今後は低温式のシェアを堅持しつつ、高温式でも存在感を示していきたい考えだ。
【お詫びと訂正:2019年12月6日7時00分の初出で、「アメリカンスピリッツ」となっておりましたが、誤りでした。正しくは「アメリカンスピリット」です。また、マイルドセブンについて「売り上げ世界一を記録したこともある」と記載いたしましたが、同銘柄が世界一になったことはございません。12月6日17時、該当箇所を消除、訂正いたしました。お詫びして訂正いたします。】
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