2015年7月27日以前の記事
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「VRでパワハラ体験」 ハラスメント未経験の記者が体験してみた 上司、部下双方から体験可能意外と気になるのが「距離感」(3/3 ページ)

一部の研修で広まっているVRでのハラスメント体験。ハラスメントを体験したことのない記者が体験してみた。これまでの研修にはないような受講者の「自分事化」を生み出せるのだという。体験してみて意外と気になったのが距離感だった。

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ほとんどのハラスメントは「グレー」

 こうした工夫が功を奏し、参加者から取ったアンケートでも「これまでの研修と比べて効果的」という声が多く集まっている。ちなみに、研修を通して理解を深める以外にもちょっと意外な効果が見えてきているのだとか。それは、「問題社員のあぶり出し」だ。ある企業では、ハラスメント度の高いコンテンツを体験した後に「これのどこがだめなんですか?」と質問した管理職がいたのだという。実際にこの管理職のチームでは離職者が相次いでいた。このようなケースでは、人事が「問題社員」へピンポイントに対応策を考えるところにもつなげられる。

 担当者は「ほとんどのハラスメントはグレー。結局、日々の積み重ねが受け止め側の心理を左右する」と話す。悪質なボディータッチや暴力といった明らかにハラスメントに該当するものであれば分かりやすい。ただ、よかれと思って行った指導や教育も、場合によってはハラスメントと見なされる可能性がある。管理職側としては、五里霧中といった形で部下との関わりが希薄になってしまうケースもあるだろう。

 人によっては、激しいコミュニケーションや厳しい教育がモチベーションの源泉になる、という人もいるはずだ。ハラスメントを怖がるあまり関係性を希薄にするのではなく、大事なのは日々の関係性構築と、人間観察なのかもしれない。


ハラスメント未経験者としては、「距離感」が最も気になった(画像提供:ジョリーグッド)
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