コラム
「5G」が話題の一方で、会社を悩ます“働かないおじさん”の「50G」問題:「超高遅延」のおじさんたち(3/4 ページ)
年功序列制度への批判から、「働かないおじさん」への不満が増えてきた。働かないおじさん=50Gは企業を悩ます一方で、「功労者」が多いゆえにむげにできないという問題も。経営コンサルタントの横山信弘氏が斬る。
働き方改革と「5G」
ついでだから、ここで次世代移動通信システム「5G」について簡単に触れておこう。2019年1月、世界最大のテクノロジー見本市「CES2019」において、米ベライゾン・コミュニケーションズのCEOが基調講演で語ったのが、この「5G」だ。このことからも分かるように、「5G」が世界で最も注目されている次世代技術であることは間違いない。
その特徴は、「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」の3つといわれている。私は前述した社長に、「5Gは組織マネジメントにおいても、重要な意味を持ちます」と言った。すると社長は「5Gが、組織マネジメントに? どういうことです?」と聞いてきた。私は「生産性アップを極限までアップするのに、使える」と言った。
働き方改革時代となり、いまや日本企業は、異次元なほどに高い生産性が求められるようになった。だから、組織のレポートライン(指揮命令や情報共有の経路のこと)は「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」が望ましい。分かりやすく書くと、
- 超高速……組織階層を飛ばして、しかるべき人へスピーディーに情報伝達する
- 超低遅延……伝えたいことが相手にすぐ伝わり、理解される
- 多数同時接続……リアルやネットのコミュニケーション手段を同時に使いこなせる
このようになる。
しかし、現実は違う。特に大企業だと、命令系統や、情報伝達のラインがとても複雑になり、「レポートラインの中継地」だけ担っている中間管理職も驚くほど多い。その中間管理職の代表格こそ、50代の男性――「50G」だ。
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