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freee“10倍値上げ”問題から考えるサブスクエコノミーの落とし穴古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(3/3 ページ)

今週上場したfreeeの波紋が後を引いている。freeeが提供する法人向け会計サービス内容の改定が今月上旬に発表され、これが実質“10倍値上げ“になるとSNS利用者の間で解釈されたためだ。

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特定のサブスクに依存しない体制が重要

 会計サービスに限った話ではないが、サブスクとは収益モデルの話であり、業績やコストに対しては中立な用語のはずである。しかし、買い切りの製品よりもサブスクが優れていると認識される背景には、サブスク系スタートアップが赤字を出してまでユーザーに還元しているという側面もあるだろう。

 これは、サブスクの利点ではなく、もともと高額なモノを安く使ってもらっているという状況に過ぎない。結局、サブスクで赤字が累積しているサービスについては今後の値上げに警戒すべきであるし、黒字でも会員数が伸び悩む展開では値上げに踏み切られるということもあるかもしれない。

 そのとき、特定のサブスクサービスに依存していては、サブスク本来のメリットである「所有しない」という側面が全く生かされない。これに対する自衛策としては、サービスの切り替えに柔軟な業務フローを整備するなどのスイッチングコストを下げる体制づくりを行うことではないだろうか

筆者プロフィール:古田拓也 オコスモ代表/1級FP技能士

中央大学法学部卒業後、Finatextに入社し、グループ証券会社スマートプラスの設立やアプリケーションの企画開発を行った。現在はFinatextのサービスディレクターとして勤務し、法人向けのサービス企画を行う傍ら、オコスモの代表としてメディア記事の執筆・監修を手掛けている。

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