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賃金は減り、リストラが加速…… ミドル社員を脅かす「同一労働同一賃金」の新時代河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(5/5 ページ)

2020年は「同一労働同一賃金」制度が始まる。一方、厚労省が示した「均衡待遇」という言葉からは、正社員の賃金が下がったり、中高年のリストラが加速したりする可能性も見える。そんな時代の変わり目には、私たち自身も働き方と向き合い続ける必要がある。

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仕事との向き合い方を見直す年に

 今後、40代も含めたミドル・シニア世代を対象とした、希望退職という名の“新手のリストラ策”が増えていくと、その先に待ってるものは何か? 富裕層が増え続ける中で、会社員の賃金が上がらない状況が続いている先に待っているものは何か?

 想像するだけで暗たんたる気持ちになるのですが、「下流老人」という言葉が流行したときに、「それは一部の人の話。不安を煽(あお)っているだけ」と豪語した識者がいましたが、今後は「貧困高齢者」「貧困高齢者予備軍」が増えていくのです。そして、今の30代、40代が60歳以上になったら状況はもっともっと深刻になっていくのです。

 ただ、数こそ少ないものの、やる気あるシニア社員をきちんとした賃金体系のもと雇用する企業も出てきています。2020年という年が時代の変わり目となることが避けられない状況の中、「私」たち自身も仕事との向き合い方を見直し、年齢にとらわれず「成長したい」という気持ちと学び続ける姿勢を持ち続け、自分がここにいる「意味」を作っていく必要があります。

 今年はそういう内容のコラムもできる限り発信していきますので、お付き合いいただければうれしいです。

河合薫氏のプロフィール:

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 東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し、現在に至る。

 研究テーマは「人の働き方は環境がつくる」。フィールドワークとして600人超のビジネスマンをインタビュー。著書に『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアシリーズ)など。近著は『残念な職場 53の研究が明かすヤバい真実』(PHP新書)、『面倒くさい女たち』(中公新書ラクレ)。2019年5月、新刊『他人の足を引っぱる男たち』(日経プレミアシリーズ)発売。


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