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テレワーク中にサボっていないか、日本企業が従業員を熱心に監視してしまう理由:働き方の「今」を知る(5/6 ページ)
テレワークで従業員がサボらず仕事しているかを“監視”するシステムが話題になった。テレワークは本来「成果」を出すためなら「働く場所」を問わない制度のはず。それなのに、なぜこうなってしまうのか。ブラック企業アナリストの新田龍氏は、海外のケースを引きながら、「サボり」に対する国内外の温度感の違いを指摘する。
日本企業で成果主義とテレワークを定着させるには?
それは、日本の労働慣行に合致させた形で、自社なりの成果主義を打ち立てていくことだ。そのために有効なのは以下の点に尽きる。
- 評価基準を明確にし、周知すること
- 評価者が誰であっても妥当性のある評価がなされ、評価を受ける側が納得できる説明がなされるよう、評価者がトレーニングされていること
- 現場からの意見を踏まえて改善が施される柔軟さがあること
- 単に「業績目標の達成度」を判断するだけでなく、評価を受ける側の不足点が着実にフィードバックされ、その後の業務改善や業績向上に資するものであること
とはいえまだ抽象的なので、実際に日本で成果主義を導入し、うまくいっている企業の例を紹介していこう。
目標管理を活用している「花王」
例えば「花王」では、年功序列制が当たり前であった1965年から社員の能力開発支援に力を入れ、目標管理制度を導入。その後も改良を加えながら、2000年ごろには現行の「職群制度」と呼ばれる人事制度が整えられた。これは、結果が出るまでに時間を要する研究部門では「長期的な研究成果」を評価に含めたり、生産部門でも結果のみならず「習熟度」を評価に加味したりするなど、部門と職種ごとの特性に配慮した役割等級を設定して評価基準を設けるものだ。
「目標管理」という名称ではあるが、一般的な成果主義でイメージされるような「トップダウンによる一律の目標設定」も、「短期スパンでの実績要求」もなく、あくまで社員の能力開発や創造性の発揮を促す環境を整備することを重視しているのだ。もし能力やパフォーマンスが発揮できていなければ、役割を変えたり、能力開発支援がなされたりする。つまり、評価は会社が社員をどう育成し、どう支援していくのかを考えるためにあるという考え方なのだ。
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