“アベノマスク”は不要? アパレル大手の夏向けマスクが軒並み好調なワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)
新型コロナの影響でアパレルチェーンが苦戦している。一方、各社は相次いでマスクの製造・販売に乗り出している。技術力を背景にした機能性が支持されている。
アルペンは「洗える冷感マスク」
アルペンも5月から自社の店舗とECサイトで、吸汗速乾の水着素材を使った「洗えるマスク」を販売。さらに6月10日には、熱をマスクの外に逃がしやすい繊維を使用した「洗える冷感マスク」も発売予定。価格は各999円。
同社では、プライベートブランド製造のノウハウを活用し、これまで扱ってきた素材を組み合わせて、猛暑を乗り切るためのマスクを開発。本社ビル内にミシン30台を設置して、国内外の協力工場も含めて、月5万枚を生産する。
盛夏向けに、保冷剤を使ったマスクやジュニアサイズのマスクも計画中だ。また、接客業向けのフェースシールド、防護ゴーグルの予約販売も行っている。
ヨネックスは、7月上旬に同社独自の涼感素材「ベリークール」を採用した「スポーツフェイスマスク」を発売する。同社ショールームとECサイトで購入できる。
ベリークールは、汗に反応して熱を吸収する植物由来のキシリトールを生地に練り込んでいる。着用すると体感温度が3度下がるという。同社のスポーツウェアに広く採用されており、バドミントン日本代表の桃田賢斗選手、テニスのスタン・ワウリンカ選手などが着用している。
色は、ブラック、ピンク、ライトブルー、アイスグレーの4色。素材は、表地がポリエステル90%、ポリウレタン10%。裏地は、レーヨン85%、綿10%、セルロース5%。吸汗速乾、抗菌、ひも調整の機能もある。価格は840円で中国製。
その他、富樫縫製(福島県二本松市)の水着マスク、アウトドアのモンベル(大阪市)が製造した内ポケットにガーゼなどを挟んで使う速乾素材の「ポケマスク」も好評。スポーツウェアメーカーの高い専門性が、ユーザーに支持されている。
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