デバイスも自宅へ発送する徹底ぶり 「フルリモート」で入社式と新人研修を実施したサイボウズ、その裏側:2月時点で複数シナリオを想定していた(5/5 ページ)
新型コロナウイルスの影響を受け、入社式を延期したり、入社自体を後ろ倒しにした企業も少なくない。そんな中、サイボウズはフルリモートで入社式・新人研修を行った。デバイスの受け渡しだけは出社して行う企業がほとんどだが、サイボウズは新入社員の自宅へ送るほどの徹底ぶりを見せた。これまでにない取り組みで、どんな発見があったのか。
営業もオンラインに 実地研修も問題なくこなす
現在は、営業もオンラインで行っているそうだが、実地研修については問題ないという。Zoomで営業しているところに参加すればいいだけなので、かえってハードルが下がっているそうだ。
なお、サイボウズでは入社式や新人研修だけでなく、3月19日に開催した株主総会もオンラインで行い、YouTubeで配信した。法律により、リアルで開催することが義務付けられていることから会場は用意したが、運営のメインをオンラインにしたのだ。実際の来場者は4人だったが、配信での最大同時接続数は500人を超えた。直前にセッションやイベントがキャンセルになったので、各部署との調整は苦労されたそうだが、株主の反応は良かったという。
突然テレワークに切り替えて、うまくいかない事例も多いのだが、サイボウズでは問題は起きなかった。そもそも10年からテレワークを試験導入しており、18年からは100人100通りの働き方を選択できるようにしている。この間の試行錯誤については、特設ページ「サイボウズの「テレワーク」に関する情報を公開します」に全て公開されている。サイボウズは、いわばテレワークの達人集団なのだ。
テレワークのポイントは「情報共有」と「コミュニケーション」
最後に、テレワークを成功させるポイントを聞いてみた。
「テレワークはお互いの顔が見えづらいからこそ、日報などで情報を発信することは重要です。Zoomのブレイクアウトセッションをうまく使って、同期と直接コミュニケーションする機会を意図的に設定しました。そこに、人事の担当者も入って、彼らの考えやパーソナリティーを知ることは意識的にやっています」(小野氏)
「手前みそですけど、情報共有とコミュニケーションが全てだと思います。僕は前職、レガシーな大企業の人事をやっていたので、出社している人しか知らない情報がいっぱいありました。そういうのがあると、テレワークだと仕事をうまく回すことができません。サイボウズでは絶対にオンライン上に情報があります。個人だけが抱えている情報って本当に少ないんです。後は、コミュニケーションの量を増やすことです。それができれば、テレワークのメリットは大きいと思います」(高木氏)
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