コロナ禍で“ぼろ儲け”の億万長者と困窮する労働者 格差大国にみる悲惨な現実:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
経済大国・米国の新型コロナによる影響は悲惨だ。大手IT企業のトップなど、コロナ禍で資産を大幅に増やした億万長者がいる一方、マイノリティーを中心に失業率が上昇、高リスクの現場で働かざるを得ない人も多い。貧富の差や健康格差がさらに広がっている。
新型コロナウイルス感染症による外出自粛措置などを経て、経済もゆっくりとだが元に戻りつつある日本。
特に東京都ではいまだに感染者が出続ける状態にあり、不安を感じている人たちも少なくないだろう。特に夜の街では感染が拡大しやすいと見られており、まだ不安定な状態が続いている。
4月の緊急事態宣言後、日本では失業率は2%台の低水準だとされたが、現実には、統計上は失業者に数えられない休業者など、潜在的な「失業者」が多数いた。そうした人たちも含めると、実際の失業率は11%を超えたのではないかとの声もあるほどだ。ただ政府による休業手当の助成率引き上げなどのおかげで、休業状態で済んだケースは多い。
一方で世界最大の経済大国である米国を見ると、状況は悲惨だ。少し前、ラスベガスに暮らす知人に話を聞いた際には、「カジノの従業員だった知り合いたちは、ほとんどが一方的に解雇となった。不法滞在で働いている人たちもいるので悲惨な状態になっている。NGOや自治体が食事の無料提供などを行い、そういう人たちを助けている」と言っていた。カジノは最近、再開したために、また仕事に戻っている人たちも少なくない。
労働者はこういう形で綱渡りの大変な生活を送っているのだが、実は逆に「ぼろもうけ」している人たちがいる。米大手IT企業のトップなどだ。その実態を見ると格差に歴然とさせられるが、コロナ禍は貧富の格差をこれまで以上に広げているようだと指摘されている。そしてその格差こそ、ポスト・コロナの経済復興には問題となる可能性もある。
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