いま再び注目を集める「社内報」 紙にとどまらない、活用のポイント:「読まれない」「思い付かない」の改善法(3/4 ページ)
テレワークで不足するコミュニケーションに対する意外な一手として、「社内報」を活用する企業が出てきている。今や「紙」だけでなく、Webやアプリの社内報も登場しているようだ。担当者が抱えがちな「せっかく作ったのに読まれない」「コンテンツが思い付かない」といった悩みへの処方箋も紹介する。
紙形式、Web形式、それぞれの特徴
浪木氏によると、日本企業によって初めて社内報が作成されたのは、1902年。日本生命が発行したものだという。その後、1950年代後半に起こったブームなどを経て、多くの企業に広がっていった。
その後、紹介したように紙冊子の形だけでなく、Web形式などが登場した。では、それぞれの形式にはどのような特徴があるのだろうか。
浪木氏によると、紙形式であれば、じっくり読んでもらうことができ、伝えたいメッセージや情報を深く伝えることができる。ただ、印刷や発行、配布などのコストを考えると、なかなか毎月のように発行することは難しい。実際、多くの企業が四半期ごとに発行する「季刊誌方式」を採用しているという。この場合だと、タイムリーな情報を提供することが難しい。
そうした情報を提供したい場合には、Web形式が有効だ。Web形式であれば、CMS(Contents Management System)を使うと誰でもが発信できるようにもなる。紙形式だと、どうしても担当者や経営層目線での情報発信となってしまうことも多いが、Web社内報を通して現場の声も合わせて発信できれば、効果的なインターナルコミュニケーションを実現できるだろう。
「なかなか読まれない」社内報はどう改善するべきか
社内報を担当する人の中には、「せっかくコンテンツを作成したのに、なかなか読まれない」という悩みを抱えている人もいるのではないだろうか。こうした悩みは、どのように解決すればよいのだろうか。
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