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アブラムシにはてんとう虫、ドイツの「生物農薬」事情:生物農薬もネット通販で購入可能(2/4 ページ)
ロックダウンで、園芸用土の売れ行きが増加したのはドイツも同様だ。今回はてんとう虫を例に、ドイツでの生物農薬事情をお伝えする。しかし例え農薬としてであっても、在来でない生物を持ち込むことは、生態系の破壊に繋がりかねない点を忘れてはならない。
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生物農薬のてんとう虫を、インターネットで購入
日本の読者は少なからず驚くかもしれないが(少なくとも、筆者は知ったとき驚いた)、ドイツではこのように生物農薬として、益虫のてんとう虫が園芸用品通販サイトで一商品として普通に販売されている。
そのサイトの一つ「GrünTeam」では、「てんとう虫はアブラムシ対策に有益です。生物農薬として非常に高い評価を得ているため、世界各国で輸入されています。ドイツ国内のてんとう虫(Adalia)はアブラムシが好物ですが、ヨーロッパに輸入され始めているオーストラリアのてんとう虫(Cryptolaemus)はコナカイガラムシを好みます。てんとう虫は1日に最大50匹のシラミを食べ、生涯通算で数千匹を食べます」と説明されている。実際に購入した永井さんに、話の続きを聞こう。
永井さん 「実際に商品が届いたとき、あまりの小ささに驚きました。肉眼で見るには、限界に近い大きさです。幼虫を収めた容器を見たときは『ここに30匹も入っているわけがない。詐欺なのか?』とも思いました。
ボール紙製でリサイクル可能なフック付きの放出ケースに幼虫を入れ、植物や木にぶらさげました。数日すると、幼虫たちが元気にアブラムシを食べているのを確認。しばらくするとさなぎになり、子供たちは喜んで観察していました。アブラムシ退治の効果は抜群でした!」
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