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総務のテレワークを巡る「衝撃の数字」 フルリモート実現の急所とは?:「総務」から会社を変える(2/4 ページ)
『月刊総務』編集長の豊田健一氏による、総務とDXを巡る連載。総務のテレワークに関する調査で明らかになった衝撃の数字を基に、総務のフルリモートを実現するための急所はどこにあるのかを解説する。
総務のテレワークに必要なITツールは「電子契約」「電子決裁」
総務がテレワークをするために会社に導入してほしいITツールについて尋ねたところ、「電子契約」が61.3%で最多、次いで「電子決裁(稟議申請、経費精算等)」が43.8%となった。
先述したように電子契約の導入状況は11.6%にとどまっていることから、総務の現場ニーズと会社のツール導入状況に大きな差があることが判明した。今回の調査結果は、総務としてもこの部分をなんとかしたいという、切実な思いの表れである。ちなみに、ランキングは下記の通り。
実際、フルリモートができている総務に取材をしてみたところ、調査で上位に挙がったツールを導入しているところがほとんどだ。
どこも、総務のテレワークを阻む三大課題、「郵送物」「押印」「電話」には苦労したようだが、押印については電子契約サービスで乗り越え、電話は転送サービスで乗り越えているケースが多い。やはり、総務の現場でもITを活用することが、次のステップへ進むための道だといえる。ただし唯一、郵送物だけは人力で対応しており、その日に出社している他部門のメンバーに届いている郵送物を開封してもらい、関係者に連絡し、その対応の指示を仰ぎ、処理しているとのことだった。
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