新たに中途採用へ乗り出した「防衛省」 いったいどんな選考でどんな人を採用したのか?:コロナ機にテレワークも進む(1/4 ページ)
防衛省が初の中途採用へ乗り出した。他の中央省庁でも進む中途採用だが、その狙いや手応えとは? また、国家の中枢である防衛業務を担う人材を、どのような選考で採用し、どのような人が入省したのか。採用担当に聞いた。
新卒一括採用や終身雇用など、日本的な雇用慣行が崩れつつある。ライフイベントや自らやりたい仕事を考え、離職を辞さない人も増えてきているようだ。人手不足という日本社会の構造的な課題を前にして、各企業は社内の人材だけでなく、社外の人材をも活用しながら競争力をどう維持していくのかを模索している。
こうしたことを背景に、中途採用を活用する企業も増えてきた。実際、厚生労働省の統計を見ると、この20年ほどで転職による入職者数はおおむね右肩上がりで推移していることが分かる。
こうした動きは民間企業だけにとどまらない。中央省庁でも、これまでの採用活動を変革し、中途採用に乗り出す潮流ができ始めている。中央省庁といえば、国家の中枢を担う業務を遂行する、エリート集団でもある。一方で激務というイメージもあってか、ここ数年での国家公務員試験の応募者は右肩下がり。人事院の発表によると、中央省庁で幹部候補である「総合職」の2020年度採用試験に申し込んだ人数は1万6730人。前年比で3.3%減となり、4年連続で減少している。
そんな中、20年から新たに中途採用を始めたのが防衛省だ。「行っている業務が特殊なこともあり、民間企業でスキルを活用できるケースも少なく、防衛省の離職者は少なかった」と話すのは防衛省大臣官房秘書課の森田陽防衛部員(課長補佐級)。しかし最近では、社会情勢などの変化などもあり、徐々に離職する人も増えていると話す。
今回の中途採用では、どういった狙いをもとに、どのような選考を行ったのか。採用業務を担当する森田氏と、同課の塚本諒太部員に話を聞いた。
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