新たに中途採用へ乗り出した「防衛省」 いったいどんな選考でどんな人を採用したのか?:コロナ機にテレワークも進む(3/4 ページ)
防衛省が初の中途採用へ乗り出した。他の中央省庁でも進む中途採用だが、その狙いや手応えとは? また、国家の中枢である防衛業務を担う人材を、どのような選考で採用し、どのような人が入省したのか。採用担当に聞いた。
新卒採用と中途採用、フローの違いは?
今回新たに始めた中途採用では、総合職と一般職の2職種で募集を行った。
総合職は、係長級と補佐級の2等級。こちらは管理職など、幹部候補としての採用だ。一般職の方は、政策や企画立案の実務を担う。民間企業での一般職と聞くと、事業部門のサポートなどをイメージすることも多いが、そうではなく「専門職」としての募集だという。
国家公務員の採用といえば、筆記試験が難関となる印象もあるが、中途採用では筆記試験を行わなかった。その分を書類選考で補った形だ。「若干名」として募集していたが、応募は想定以上に来たと振り返る。書類選考に通過した人に対しては、1〜2日にかけて複数回の面接を行った。
面接ではどんなことを質問するのだろうか。意外にも、志望動機や前職での業務内容など、民間企業とそう変わらないことを聞くそうだ。その後、面接が進むにつれて政策と絡んだディスカッションなども行った。
中でも重視したのは「熱意」だという。国家の中枢を担う業務内容だからこそ、自身のスキル研鑽(けんさん)やキャリアアップだけでなく、国のためになるよう真剣に業務へ当たれるかを特に重視したようだ。
応募者の傾向としては、もともと学生時代に国際政治や国防分野を専攻していた人や、海外勤務などを経て客観的に日本の国防を見つめてきた人が多かったと森田氏は話す。前職についても、特にこれといった分野に集中するのではなく、多岐にわたる業界から応募があった。
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