ボルボ日本法人が着手した「オンライン接客」 “会ってなんぼ”を超える満足度向上とは?:「近づけない、集めない」時代を生き抜く、企業の知恵(2/4 ページ)
ボルボ・カー・ジャパンはオンラインサービスを強化している。7月、「オンライン商品説明」を開始。感染対策や顧客ニーズへの対応に加えて、セールス担当者の働き方改善にもつなげる。また、効率化だけなく、接客の質を高めるためにオンラインを活用する方針だ。
昔ながらの自動車セールスは、電話をして顧客と話し、直接会って関係づくりをしないと話が進まなかったという。しかし、今は電話で話せる機会が減った一方、電話に出られなくても、LINEなどのメッセージを使えばすぐに返事をしてくれる人も多い。「都合のいいタイミングで反応したい」というニーズがあり、その変化に対応することが求められていた。
それでも、本格的なオンラインの取り組みはなかなか進まなかった。その状況を一変させたのが、新型コロナだ。さまざまな分野でオンラインサービスが急拡大する中で、スタッフとの接触を減らしたり、外出不要で利用できるサービスを拡充したりする必要に迫られた。
オンライン商品説明のニーズとは?
今回開設したボルボ・デジタルラウンジでは、オンライン商品説明や来店の予約、試乗や見積もりの申し込みなどを受け付けているほか、デジタルカタログやセールス担当者による商品説明動画などのコンテンツも増やしつつある。
オンライン商品説明を活用すれば、商品の説明だけでなく、下取り車の参考価格やローンを含めた購入資金などもオンラインで提案できる。現時点では、最終的には紙の契約書への記入が必要となるため、来店や郵送の対応が必要となるが、今後は売買契約書などのやりとりもオンラインで完結できるように準備を進めている。
では、実際にどのような人がオンライン商品説明を使っているのか。既存顧客が乗り換えを検討する際に「オンラインで説明を聞きたい」と申し込むケースのほか、「ショールームに行ってみたいけど、新型コロナの影響や育児などでハードルが高い」といった問い合わせや申し込みも増えているという。
また、ある店舗の事例では、来店した顧客と商談し、購入を決める段階まで話が進んだが、最後に単身赴任中の夫の承諾を得る必要があった。そこで、セールス担当者は店舗と単身赴任先をオンラインでつなぎ、説明を実施。夫妻と担当者の3人で会話し、納得して購入を決めてもらえたという。
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