どうする?フリーアドレス 成功のための「5箇条」と、抵抗勢力の乗り越え方:成功するフリーアドレス・失敗するフリーアドレス(2/5 ページ)
コロナを機に普及した在宅勤務だが、緊急事態宣言が解除されてからオフィス出社へと戻す企業も相次ぐ。しかし、今後は在宅勤務だけではなくテレワークを実施していくことが、企業にとって生き残りの術であることは明らかだ。そこで、今回はテレワークの実施に必要不可欠ともいえる「フリーアドレス」のポイントを解説する。
それでは、社内のフリーアドレス化を進めるためには、どのようなステップが必要なのでしょうか。筆者は以下の5つのポイントを押さえて進めてみるべきだと考えています。
(1)オフィスの着席率を調べてみる
まず、オフィスの着席率を調べてみましょう。オフィスの座席は、打ち合わせや外出などで空いている席が意外とあるものです。
着席率は時間単位で集計します。1時間単位で集計できればいいですが、大変であれば、朝・昼・夕方の3パターンくらいを集計してみるのがいいでしょう。これを、部門単位で1週間程度集計してみます。集計してみると、ほぼ全員が着席している部門もあれば、外出が多い営業部門のように、日中はほとんど空席になっている部門などの傾向に気付くはずです。着席率が低い部門ほどフリーアドレスを行いやすく、着席率が高い部門は、業務特性がありフリーアドレスを行いにくい部門だと思います。まずはこうした傾向をしっかりと把握しましょう。
(2)デスクワゴンとキャビネットをなくしてみる
デスクワゴンには、社員個人の書類や文房具などが入っています。この書類の多くは、会議で出席者全員に配布される書類など、同じ書類を別の社員が保管していることも多いはずです。中には、会社の業務と関係のない私物の保管場所になっているケースもあるでしょう。これら全てをなくすことは難しいので、代替案として、オフィスの共有部分に個人単位の保管スペースを確保(段ボール1箱分くらいで十分です)してあげるといいでしょう。また、文房具類はオフィス内の指定場所にまとめて置くようにして、「使用したら返却する」というルールを設定すれば、誰かが大量に持ち去ってしまうということも防げますし、管理も楽になるはずです。
デスクワゴンだけでなくキャビネットも、フリーアドレス化を阻む大きな要因です。キャビネットの中には多くのファイルされた書類が入っていて、そして使用部門近くに配置されているはずです。まずは、全社で使用しているキャビネットの数量を把握し、削減目標を決めてみましょう。このときのポイントは、日々のルーティンワークで最低限利用するものだけを残して、利用頻度が低い書類は外部のストレージサービスを利用したり、保存が必要な書類のデジタル化を進め、それ以外の書類は廃棄してみることです。これだけで、フリーアドレスと並行してペーパーレス化も大きく進められるはずです。
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