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生き残りをかけたANA「400人出向」 左遷でなく“将来有望”のチャンス?:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/5 ページ)
ANAホールディングスが社員を他社に出向させるとして注目されている。出向というとネガティブなイメージだが、企業にとっても社員にとっても「成長」への布石となる側面もある。人は環境で変わるからだ。新しい雇用の形として、他の企業も前向きに取り組んでほしい。
会社員にとって「出向」は、左遷と受け止められていました。
その“左遷”といわれてきたものを、「会社の生き残りをかけて大規模に行う」と発表したのが、ANAホールディングスです。報道によれば、2022年度までにグループ全体の社員数を約3500人削減する予定で、採用中止や定年退職による自然減に加え、400人以上の社員をグループ外の企業に出向させるといいます。
すでにその傘下の全日本空輸(ANA)が、従業員の年収を約3割減にするなど、大胆なコスト削減に踏み切ることが判明していましたので、「ANAショック」と呼ぶ人や、「社員たちのプライドが持たないんじゃないか」などと、世間ではネガティブに受け止められているようです。
でも、「出向」は決して悪くない。というか、これぞ「現在窮乏将来有望」(言葉の真意は追って説明)ではないか、と。向き合い方次第では「栄転」にさえできてしまう。「他社出向」は、アフターコロナでの企業の成長と個人の成長への布石になるだけではなく、「新しい職務保障・雇用の流動化」になると期待できます。
というわけで、今回は「他社出向」について、あれこれ考えます。
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