”条件外の人”でも運命を感じた! 政府支援の「AI婚活」、その実力は?:救世主(4/5 ページ)
「彼氏や彼女がいない人が増えている。若者の間で草食化が進んでいる」――。このような声が広がるなか、AIやビッグデータを活用して、政府は婚活支援事業に取り組むという。すでにAIマッチングを導入している自治体では、どのような”結果”が出ているのだろうか。取材したところ……。
運命の相手なら条件を超えられる
同じAIマッチングとはいえ、愛媛と埼玉では裏側のアルゴリズムが大きく異なる。それでも両者に一定の効果が出ているのは、「実は相性が良い潜在的な相手と出会えるようになったから」とタメニーの広報、平田恵氏は語る。
「従来の条件マッチングは、多くのユーザーを取り込み婚活事業を拡大するには最適な手法であり、婚活業界が急拡大したのもこの手法のおかげです。一方で、肝心のマッチング率・成婚率を向上させるには、どうしても不十分でした。当社では、関係が長続きする、あるいは成婚に至りやすいカップルは価値観が似ている者同士だという調査データに基づき、2010年ごろからAIシステムを導入しています」(平田氏)
実際に、条件よりも価値観が勝った実例もある。同社が運営する結婚相談所「パートナーエージェント」の女性ユーザーで、東京在住にこだわっていたが、AIのレコメンドにより北関東在住の男性と出会い成婚、移住した女性がいるそうだ。運命の相手だと思えたら、絶対だと思っていた条件も軽く超えられるのかもしれない。
AIはまた、相手が求める条件にあと少し満たない「惜しい人たち」への救いの手にもなっている。
「『理想の人と出会えない』『マッチングしない』と嘆くのは、条件に固執しすぎているケースがほとんど。たった1歳の年齢差、1センチ身長が足りないだけで、相性バッチリなのに素通りしていることも。AIは、そういった『あと少しで条件にマッチするお相手』にも光を当て、出会いの幅を広げてくれる救世主だと思います」(平田氏)
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