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賃金はこの先も上がらず…… コロナ禍ではびこる「内部留保肯定説」と、企業の自殺:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(3/4 ページ)
コロナ禍で企業の内部留保を肯定する声が出てきている。しかし、人件費を減らすことは長期的には企業を苦しめる。会社を動かし、生産性を高めるのは「人」だからだ。働く人の心身の健康が業績にもつながる。厳しいときこそ人に投資し、未来に備える必要がある。
生産性を向上させるのは「人」
新年早々、暗たんたる気分になる話ばかりで申し訳ないのですが、今後は、コストを下げれば下げるだけ、企業の体力は確実に奪われていくでしょう。
当たり前のことですが、企業を動かしているのは「人」です。おカネが全てではないけれど、おカネは私たちにとって大切なごほうびだし、自分の成果を測る目安にもなります。賃金がちょっとでも上がるだけで、「この会社で頑張って働こう!」とか「いい仕事をしよう!」というモチベーションは高まります。
そして、働く人がそう思えて初めて、企業の生産性は向上するのです。
言わずもがなコロナ後は、コロナ禍での社会経済の混乱によって今まで以上に育児や教育、医療などの社会保険料の負担が重くのしかかります。この先も少子高齢化の傾向は変わりませんし、2025年からは、4人に1人が75歳以上になる時代に突入していきます。
限られた数の現役世代の労働力を囲い込むためには、賃金を上げるしかない。すでに転職が当たり前になっているので、働く人は「きちんと給料をくれる会社」を選ぶようになるでしょう。
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