ZOZOが「グラス」でコスメ市場参入 その狙いは? リアル店舗の休業受けて業績は絶好調:「スーツ」や「シューズ」に次ぐツール(3/3 ページ)
ZOZOは1月29日、2021年3月期第3四半期決算を発表。商品取扱高が前年同期比19.8%増の3042億4300万円、売上高が同18.1%増の1084億8000万円、営業利益が同74.3%増の337億8500万円と増収増益。商品取扱高、営業利益ともに四半期決算で最高実績となった。これにより通期連結業績予想も395億円から415億円に上方修正した。
施策メインは「ゾゾグラス」他社ECとの差別化で合わせ買い促進
施策の中でも注目を集めるのが、顔色の計測アイテム「ゾゾグラス(ZOZOGLASS)」だ。これまでZOZOが提供してきた、体形サイズを計測する「ゾゾスーツ(ZOZOSUIT)」、足の3Dサイズを測定する「ゾゾシューズ(ZOZOSHOES)」に続くもので、肌トーンやパーソナルカラーを診断することで似合う化粧品をレコメンドし、購入促進を行う狙い。利用を希望するZOZO会員に無料で送付する。
ローンチ時点ではファンデーション購入時の色選びアシストを行い、将来的にはリップやチークなど他製品への展開、フェースタイプ診断などの導入も予定する。オフラインの化粧品売り場でも感染症予防の観点から美容部員によるタッチアップなどのサービスが困難な中、テクノロジーを活用した色選びは大きな差別化につながる要素だ。
「ゾゾコスメ」はモール上の施策だけでなく、外からの集客も検討している。ZOZOは2019年11月にヤフーを傘下に持つZホールディングス(ZHD)の連結子会社となっており、集客には同ホールディングス傘下の「ヤフー!ジャパン」のほか、3月にZホールディングスとの経営統合を完了する見込みのLINEの活用という、グループ横断での取り組みを検討している。
国内では新型コロナウイルス感染症の拡大などを契機に化粧品ECが増えており、ファッションECでも化粧品の取り扱いを行うサイトも続々と登場している。ファッションECモールで国内最大手の「ゾゾタウン」の大規模な取り組みにより、さらにこの動きが加速しそうだ。
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