コロナ禍でも「横丁」は大繁盛 昼から酒を楽しむ人が殺到する理由とは:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/8 ページ)
コロナ禍で大都市都心部の居酒屋やレストランが苦戦している。一方で、集客に成功している横丁が多い。その理由とは?
虎ノ門横丁の個性的な店舗
虎ノ門横丁のプロデューサーには、家具店「シボネ」、食のセレクトショップ「ディーン&デルーカ」の日本展開などを手掛ける、ウェルカム(東京都目黒区)の横川正紀社長を起用。デベロッパーの森ビル広報によると、起用の理由は「インテリアと食のトレンドに熟知する横川氏に、既成概念を覆す新しい横丁の創成を期待した」ためだという。
リーシングは、1年間600回外食する、食の水先案内人“タベアルキスト”マッキー牧元氏が担当。東京の今を感じる名だたる個人店を集めた。
横丁内には26店が集積する。例えば、焼き鳥で初のミシュラン星を獲得した「バードランド」、世界最速でミシュランの星を獲得した大橋直誉シェフによるご飯に卵リゾットを使うカツ丼が評判の「つかんと」、端麗系の完成度が高い中華そば「勝本」、山椒をきかせた“シビカラ”ブームを牽引(けんいん)した四川料理「ファイヤーホール4000」などがある。
ウェルカムは、横丁最大の130席を有するクラフトジン専門店「酒食堂 虎ノ門蒸留所」を提案。ガラス越しにジンが蒸留される過程を見ながら、ジントニックやジンハイボールを楽しめるようにした。クラフトジンの原料は、八丈島や新島の島焼酎、青梅の湧水。香り付けに国産の旬のボタニカル(植物)を使っている。料理は、焼きナポリタンや八丈島の島料理の他、居酒屋料理を幅広くそろえている。
「築地銀だこ」チェーンのホットランドは、新業態「築地金だこ」を出店。ブルーチーズを使ったフランス・ピレネー風、タイ料理のテイストで表現するガパオ風など、インターナショナルな“ネオたこ焼き”を提案している。
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