トイレ界のスタバを目指す! 東南アジアに広がる「1回33円」の有料トイレ:最高レベルの清潔さ(2/5 ページ)
タイやベトナムなどで、有料の公衆トイレが人気を集めている。運営しているのは、スイスの会社「ミスター・ルー」。1回33円の有料トイレはどんなところなのか。共同創業者の2人に話を聞いた。
最高レベルの清潔さを備える2種類のトイレ
ミスター・ルーが提供するトイレは、「プレミアム」と「レギュラー」の2種類があり、前者は0.3ドル(約33円)、後者は0.15ドル(約16円)の使用料がかかる。
プレミアムは、高品質なセンサー付きの衛生用品をはじめ、最先端のデザインを採用。エアコンによる最適な温度管理とフローラルな香り、BGMには地元の人気曲を流して心地よさにこだわる。ティッシュや除菌剤といったアメニティーのみならず、身長・体重・BMI・体脂肪・血圧を測定できる健康チェック装置とシャワー室まで完備する。
レギュラーは、最高レベルの衛生状態を保ちながらも機能は限定的で、アメニティーは最小限に。エアコンはなく、代わりに換気システムが設置されている。いずれもプロの清掃員を配置し、顧客がトイレを利用するたびに念入りに清掃するため、誰かが汚した状態のトイレを利用することはない。
「当社のトイレは、一般的な公衆トイレと比較して清潔さや付加価値が明らかに上回っている」とワナー氏は言う。
実際、タイやベトナムをはじめとした東南アジアでは、管理が行き届かず衛生状態が良くない公衆トイレも少なくない。また、便器に足を乗せて座るなど、環境衛生へのリテラシーが低い市民や観光客がいることから、トイレが汚れやすい点も否めない。だからこそ、より良い公衆衛生を求める市民から、同社の有料トイレが選ばれているのだ。
「利用料金は、観光客だけでなく地元住民にとっても十分に手頃です。現状、当社のお客さまは80〜85%が地元民で、海外からの旅行者や観光客は15〜20%程度です」(シューラー氏)
同社のトイレは1日に約1万2000人が利用し、20年は前年の利益を上回る実績も出ているそうだ。
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