なぜデジタル画像に何十億円もの値がつくのか? 熱狂するNFT市場(5/5 ページ)
ゲーム内の土地がトークン化され数億円で売買されたり、デジタルアートが75億円もの値段で取引されたりと、全世界的にNFTと呼ばれるトークンが盛り上がっています。国内でNFTのマーケットプレイスを開始したコインチェックの天羽健介執行役員による、NFTに関する寄稿。
日本にこそチャンスがある
コインチェックではNFTの動向に2〜3年前から注目していましたが、コインチェックとして新規事業への参入を検討する際、NFTの他にデジタル通貨や有価証券をブロックチェーンとひもづけた領域も候補に挙がっていました。そのような候補の中から、規制などを含めた外部環境やコインチェックのアセットを鑑み、NFT業界への参入を決めました。
現在、世界全体でNFTのブームが起きており、日本でもニュースとして取り上げられているため、多数の版権・IP事業者様、コンテンツホルダーから問い合わせをいただいている状況です。多くのNFTプロジェクト、コンテンツが世に出てくることは、NFT市場の活性化、利用者の選択肢の増加という面でポジティブに捉えており、より魅力的なコンテンツがNFTとなり、これまでにない新しい価値交換が実現されていくでしょう。
日本には、マンガやアニメなど世界に誇るコンテンツがたくさんあり、コンテンツ大国といっても過言ではありません。これらのコンテンツはNFTと相性が良く、NFT業界において日本が世界をリードしていけるのではないかと考えています。
しかしながら、今後のNFT業界の発展のためには、我々のようなプラットフォーマーとコンテンツ・IP提供者、そして規制・事業環境整備関係者の三者が同じ方向を目指す必要性があるのではないかと考えています。現在、ブームの影響で価格や値上がりに注目が集まりがちなNFTですが、一過性のブームで終わらせないよう、しっかり土壌を整えていきたいと考えています。
筆者プロフィール:天羽 健介(あもう けんすけ)
日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)NFT部会長
コインチェック株式会社 執行役員
コインチェックテクノロジーズ株式会社 代表取締役
大学卒業後、商社を経て2007年株式会社リクルート(現リクルートホールディングス)入社。複数の新規事業開発を経験後、2018年コインチェック株式会社入社。主に新規事業開発や暗号資産の新規取扱、業界団体などとの渉外を担当する部門を統括し暗号資産の取扱数国内No.1を牽引。2020年より執行役員に就任。現在はNFTやIEOなどの新規事業の開発や暗号資産の上場などを行う新規事業開発部門に加え、暗号資産取引所のマーケティング部門、トレーディング部門、カスタマーサクセス部門を管掌。2021年には国内最大級のNFT取引所「miime」を運営するコインチェックテクノロジーズ株式会社の代表取締役に就任。
日本初のNFTマーケットプレイスとなる「Coincheck NFT(β版)」。他に、2月にコインチェックの傘下になったコインチェックテクノロジーズ社(旧:メタップスアルファ社)のグローバルユーザー向けのNFTマーケットプレイス「miime (ミーム) 」でも海外ユーザー向けのサービスを開始し、国内外へのNFTを使ったコンテンツ発信が可能な体制を整えている
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