TBS佐々木卓社長に聞く、地方局の東京支社をシェアオフィスに移転する狙い 「JNN系列をさらに強い集団に」:地方局のオフィス改革【後編】(2/3 ページ)
港区赤坂に完成したシェアオフィスに、地方の放送局の東京支社が相次いで移転した。移転しているのはTBSをキー局とするニュースネットワークであるジャパン・ニュース・ネットワーク(JNN)系列の地方局。TBSのトップである佐々木卓社長を直撃した。
生き残るためにJNNの力を強くする
――JNN系列は、放送局の中では長い歴史を持つ会社が多いです。なぜ今、系列各局の関係性を近づけようと考えたのでしょうか。
それぞれ別々の会社ですが、JNN28社があたかも一つの会社であるかのように、経費を削減し、トップラインを伸ばし、利益を上げていく必要があると考えています。そうしていかなければ、これからのテレビ局は生き残れないのではないでしょうか。
このシェアオフィスに入居することで東京支社のコストは削減されます。それを単に1社のコスト削減ではなく、JNN全体でこれだけのコストを下げることができたと捉えます。削減された分のお金を使って、報道をさらに強化する、もしくは新たな取り組みに使うといったことをやりたいと考えています。
自社ビルを持っているなど、それぞれの会社の事情がありますので、全部の会社がここに来てほしいというわけではありません。でも、こういう拠点ができて、系列全体で1億円以上のコスト削減ができたことは、JNNがそれだけ強い集団になったと考えています。
――これまでは系列各局がキー局のTBSを訪れるという関係性だったと思います。この関係性も変わるということでしょうか。
もちろんTBSに来ていただいてもいいですが、それだけだと今までと同じで、各社にとっては「TBSと向き合う」感覚だと思います。そうではなく、この場所に多くの系列局が集まることによって、ざっくばらんな話ができますよね。営業のことに加えて、地震や災害報道の準備や在り方など、話すことはいろいろあります。コスト削減だけでなく、こういう場で自由に話すことによっても、JNN全体の力が強くなると思っています。
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