TBS佐々木卓社長に聞く、地方局の東京支社をシェアオフィスに移転する狙い 「JNN系列をさらに強い集団に」:地方局のオフィス改革【後編】(3/3 ページ)
港区赤坂に完成したシェアオフィスに、地方の放送局の東京支社が相次いで移転した。移転しているのはTBSをキー局とするニュースネットワークであるジャパン・ニュース・ネットワーク(JNN)系列の地方局。TBSのトップである佐々木卓社長を直撃した。
「発明」「改善」「淘汰」にチャレンジする
――JNN系列のキー局であるTBSのリーダーとして、佐々木社長はどのようなことを大事にしていますか。
社員には3つのチャレンジをしようと旗を振っています。1つ目は「全く新しい発想で発明をすること」、2つ目が「長く続けてきたルーティンワークを改善すること」、最後が「いらないものを淘汰すること」です。この「発明」「改善」「淘汰」にチャレンジすることが必要だと考えています。
チャレンジには5段階の評価をしています。1番評価すべきなのは、チャレンジをして成功した人。2番目はチャレンジしたけれど失敗した人。3番目は、チャレンジはしなかったけれど、チャレンジした人を手伝った人です。
4番目以下は良くないのですが、4番目は何もしなかった人で、5番目はチャレンジした人の足を引っ張った人です。チャレンジすることの必要性を叫びながら、多様性を認めて、仲間を大事にすることを常に訴えています。
自分にない才能を持つ人を嫉妬したり、足を引っ張ったりする人はたくさんいると思います。でもそうではなくて、自分にない才能を持っている人をありがたいと思える関係性を、リーダーとして作っていきたいですね。
――佐々木社長も、このシェアオフィスを訪れるのでしょうか。
僕も時々ぶらっと来たいと思います。そうすると、これまで年に1度か2度しか話す機会がなかった各社の支社長の皆さんと、話す回数も増えると思います。そこで(彼らに)褒められるのか、文句を言われるのかは分かりません。たぶん文句を言われることの方が多いと思いますが(笑)。いろいろな話を聞けることは僕にとってもためになるので、このシェアオフィスで皆さんと話す機会が増えることを期待しています。
著者プロフィール
田中圭太郎(たなか けいたろう)
1973年生まれ。早稲田大学第一文学部東洋哲学専修卒。大分放送を経て2016年4月からフリーランス。雑誌・webで警察不祥事、労働問題、教育、政治、経済、パラリンピックなど幅広いテーマで執筆。「スポーツ報知大相撲ジャーナル」で相撲記事も担当。Webサイトはhttp://tanakakeitaro.link/。著書に『パラリンピックと日本 知られざる60年史』(集英社)
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