「ハンコ、押しただけだから」 責任を取らない組織の治療薬:オワコンの威力(1/3 ページ)
意味不明な、加害者の子供の将来やら人権をタテに犯罪をもみ消そうとする学校や教育委員会。不祥事があっても責任を取らない日本の組織。公務員など組織が巨大になればなるほど、トラブルがあっても誰も責任を取らずに済むようで。
著者プロフィール:増沢隆太(ますざわ・りゅうた):
株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役。キャリアとコミュニケーションの専門家として、芸能人や政治家の謝罪会見などをコミュニケーションや危機管理の視点で、テレビ、ラジオ、新聞等において解説している。大学や企業でのキャリア開発やコミュニケーション講座を全国で展開中。著書「謝罪の作法」他多数。
真冬の北海道で凍死した女子中学生が、実は自殺に追い込まれていたと報道される旭川市立中学校。学校側はイジメと認識していないという、イジメ事件で通例となる理由で責任を回避しようとしているようです。文春の報道を読む限り、イジメ相談を加害者にも開示してしまうなど、学校側の対応にはきわめて不適切と思われるものがあるようです。
厚労省が4億円近い予算を投じた、コロナ接触者を追跡アプリ「COCOA」は、ソフトのバグによって機能しないトラブルが発生しました。しかもそのトラブルが4ヶ月放置されていたことが明らかとなったのでした。コロナの切り札が機能せず、しかも多額の予算を使っておきながらトラブル放置。厚労省も発覚後ただちに調査を行い、その検証報告で「(アプリなど)IT知識欠如と対応を業者任せにしたこと」を認めました。
問題はその責任の取り方です。取材も拒否して逃げ回っているとしか見えない逃げ回る中学校の校長や、田村厚労相、本件担当のIT副大臣平将明氏といった政治家の責任はもちろんですが、厚労省の樽見次官、正林健康局長は厳重注意だそうです。
これで終わり? なんですか???
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