2015年7月27日以前の記事
検索
連載

マニュアル化で1年目から全員酒造り 日本酒「紀土」の平和酒蔵に大卒しかいない理由平和酒造4代目が考える「個が立つ組織」【後編】(5/5 ページ)

日本酒を巡る時代の変化に対応し、ここ15年間で売り上げを2倍強に増やしたのが和歌山県海南市に本社を置く平和酒蔵だ。そんな平和酒蔵も実は先代まで、地元を中心に安酒を販売する酒蔵にすぎなかった。一体いかにして社内を改革し、世界的ブランドを得る企業へと押し上げたのか。その手法と戦略を山本典正社長に聞いた。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-
前のページへ |       

日本酒×●● コラボの可能性

――市場を新しく開拓する難しさを感じていますか。

 政治に関しては「日本が嫌い」と言っている人でも、日本の文化に関しては大好きと言ってくれる人も意外と多いんですよね。ですので、日本酒は日本食と合わせて日本の文化の1つと捉えてくれる人が多い。だから幸いにしてやりやすいと思います。

 日本の文化をきっかけに日本自体に興味を持ってくれている人も少なくなく、そういう人の入り口として日本酒は有力です。中には、日本酒が好きだから日本に行きたいと言ってくれる人もいます。日本酒が日本そのものの魅力を高められる武器になる面もあって、作り手にとっても身が引き締まるよいきっかけになりますね。

――今後の当面の目標を教えてください。

 そうですね。僕は割と日本酒業界の中で、ベンチャー的な新しいことにチャレンジするのが自分の仕事だと思っています。業界で誰もがやらなかったことに初めてトライするファーストペンギン的な動きをこれからも大切にしたいと思っています。

 例えば「新世紀エヴァンゲリオン」の映画に「獺祭」という山口県の日本酒がさりげなく出てきますが、日本酒と何かをコラボレーションをさせている酒蔵はまだまだ少ないのが現状です。当社でも何かの作品と共演したり、酒造りの部分から面白さをより多くの人に知ってもらったりして、日本酒を身近に感じてもらえる新しい取り組みをしていきたいですね。コロナ禍でまだまだ大変ですが、新しいチャレンジをしていきたいと思っています。

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る