NFTアートの価値とは? 知られざる3つのメリット(3/5 ページ)
最近巷でNFTアートが人気を集めています。NFTアートとは何なのか(あるいはそもそもNFTとは何なのか)、この人気の理由は何なのか、今後どのようなことが起こりうるのか見ていきたいと思います。
NFTのメリット
デジタルコンテンツをNFTとひも付けることで得られるメリットは大きく3つあります。
まずはコンテンツの一意性です。前述したように、コンテンツの権利を一意に主張できるようになります。NFTとデジタルコンテンツとを結びつけることで、デジタルコンテンツに一意性・唯一性を付与し、「確かにこのコンテンツの持ち主があなたである」ことを簡単に証明できるようになるのです。
従来、複製が容易なデジタルコンテンツを権利保護しながら流通させるためには一定のコストがかかっていました。コピーガードや電子透かしなどがその例です。結果その流通コストに見合わない低価格のコンテンツはなかなか市場で流通されないのが現状でした。
しかしNFTを使えばデジタルコンテンツの所有を証明できるので、そのような権利保護の仕組みの必要性が下がり、結果として流通コストを抑えることができます。また、複製が容易にできるデジタルコンテンツはリアルコンテンツと比べてどうしても低い価格でやり取りされがちですが、NFTによりデジタルコンテンツの一意性が担保されるため、コンテンツ自体の価値も上がりやすくなります。
次に相互互換性です。今までデジタルコンテンツは各サービスやプラットフォームに閉じていました。あるゲームで購入・獲得したキャラクターはあくまでもそのゲーム内でしか利用できませんでした。しかし現在NFTのほとんどはイーサリアムのブロックチェーン上に記録されており、イーサリアムに接続しているサービスであればサービスを横断してコンテンツを取引可能です。
例えばあるECサイトで購入したデジタルアートを、他のマーケットプレイスで二次販売できるようになります。NFTの技術により、このようなプラットフォームに左右されないコンテンツ中心のマーケットが実現できます。
最後はプログラマビリティです。イーサリアムのスマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動的執行できる仕組み)という機能を用いることでさまざまな機能をNFTにもたせることができます。マーケットプレイスなどの仲介サービスに頼らずとも、ブロックチェーンに記録された情報をもとに契約やルールセットを実行してくれるのです。
その例として、コンテンツが二次流通された際に収益の一部を著作権者に返す還元金の仕組みがあり、実際にそのような機能が実装されているNFTマーケットプレイスも出てきています。サービスをまたがったとしても、NFTがAさんからBさんにいくらで販売されたという情報と、最初に設定された還元金率に基づいて、著作権者に還元金を自動で支払うことが可能になります。
関連記事
- 「えっ、この絵が1億円?」……今更聞けないNFTバブルのヤバい裏側
世はまさにNFTバブルだ。トップ画像を飾るこのアヒルのイラスト「perfection」は、WAVESという暗号資産のブロックチェーン上でちょうど100万ドル、日本円にしてなんと1億円以上の価値で落札された代物である。 - なぜデジタル画像に何十億円もの値がつくのか? 熱狂するNFT市場
ゲーム内の土地がトークン化され数億円で売買されたり、デジタルアートが75億円もの値段で取引されたりと、全世界的にNFTと呼ばれるトークンが盛り上がっています。国内でNFTのマーケットプレイスを開始したコインチェックの天羽健介執行役員による、NFTに関する寄稿。 - 唯一無二のアイテムをデジタル化 NFTとは何か?
ビットコインのように数えられるものではなく、唯一無二ものものをブロックチェーン上で取り扱うNFTが、盛り上がりつつある。NFTとはどのようなものでどんな例があり、どんな可能性があるのだろうか? - 盛り上がるNFT Coincheck NFT、一週間で1.2万人利用 30万円相当のカードが5秒で売り切れ
ノンファンジブル・トークン(NFT)市場が、国内でも盛り上がりを見せている。コインチェックが3月24日に開始した、NFTのマーケットプレイスは、1週間で利用者が1万2000人を突破した。 - GMOインターネット、NFT事業参入「アダム byGMO」
GMOインターネットグループは4月9日、NFT事業に参入し、NFTの売買が行えるマーケットプレイス「アダム byGMO」を提供すると発表した。アートや楽曲、著名アーティストによる希少性の高いコンテンツを用意するほか、ウォレットの提供も行う。提供予定日は未定としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.