40%暴落のビットコイン ユーザーの反応は? GMOコイン石村社長に聞く(4/4 ページ)
GMOコインは、21年5月31日に4周年を迎えた。その間、17年から18年初頭に起きた仮想通貨バブル、さらに21年の価格急騰と5月に入っての急落と、市場の大きな変化を経験してきている。この4年間で、仮想通貨(暗号資産)を取り巻く状況はどう変わったのか。GMOコインの石村富隆社長に聞いた。
いずれユーザーも手数料に敏感になってくる
直近の業績は市場の過熱もあり、GMOフィナンシャルHDの利益の半分を稼ぎ出す好調ぶりだった。これをどう捉えているのか。
石村氏 こういうマーケットなので、業績の善し悪しは気にしていない。今はいいといわれているが、悪いときもある。安定的に収益を出せるとか、よくないときでも利益を確保できる体制づくりを目指している。
仮想通貨がいいとFXがよくなかったり、悪いとFXがよかったりと、肌感的にはそういうところがある。ボリュームに対しての収益率を一定にすることを目指している。3年前は、取引量はあるのに収益が低いということもあったが、そこを是正していて、一定の収益率を確保するようにしている。
手数料にはおそかれ早かれ、ユーザーは敏感になってくるだろう。資産価格自体が「100倍になった、10倍になった」ということで、スプレッド(手数料)を見るとすごいコストがかかっているが、それに気づかない。気にしても取引する人がいるのが現状だ。
特に手数料を気にしないのは、販売所のユーザーだ。仮想通貨FXは、為替FXをやっていたユーザーも多いので、そこではスプレッドがすごく注目されている。
リーズナブルなコストにすることを大事にしていて、業界内で一番低いコストでやろうとしている。リソースも投入して研究している。
17年の価格上昇では、取引参加者の多くが国内の個人投資家だったということもあり、また大規模な流出事件と重なったこともあって、市場は総悲観状態だった。しかし、21年は、5月にビットコインが月間で史上最大の下げを演じたものの、反応は穏やかだ。
上昇の要因が米国の企業や機関投資家によるものだという理由もあるだろう。しかし、それにも増して、新たなアセットクラスとして長期投資の対象になってきた感もある。
GMOコインでは、6月2日に「つみたて暗号資産」の毎日積み立てプランを用意し、最低1000円から積み立てが行えるなど、裾野を拡大している。また、新規の仮想通貨として、国内で初めてポルカドット(DOT)の取り扱いを開始するなど、戦略の実行を進めている。
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