中銀カプセルタワービル、「泊まれるカプセル」として生まれ変わる:49年の歴史に幕
無数のカプセルが縦に積まれた外観で有名な中銀カプセルタワーが49年の歴史に幕を閉じ、「泊まれるカプセル」として生まれ変わらせるプロジェクトが始動した。そのほか、カプセルの寄贈や書籍の出版にも取り組むという。中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトとはどのような取り組みなのだろうか?
1972年に竣工した中銀カプセルタワービルが、「泊まれるカプセル」として生まれ変わる。中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトが、「メタボリズム思想の代表的建築物の存続」を目的とし、カプセルを美術館、博物館に寄贈する活動や、中銀カプセルタワービルを紹介する書籍の販売を進めていく。
中銀カプセルタワービルは、東京都中央区に位置し、21年で築49年になる集合住宅だ。外観は、円窓のある長方形のカプセルが縦に積まれている点が特徴。「新陳代謝」という意味を持つ「メタボリズム思想」の代表建築作品といわれている。13階建てと11階建てのツインタワーで、カプセル数は140個だ。
18年に、1カ月のお試し宿泊体験「マンスリーカプセル」の提供を開始した。約2年半で200人以上が利用し、多くのカプセルファンを生み出した。しかし、21年3月に管理組合で敷地売却が決議され、合意したことから解体が決まった。
解体の日が近づくなか、マンスリーカプセル利用者からの反響が多かったことに後押しされ、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトが発足した。同プロジェクトで既に複数のカプセルの取得が決まっているという。敷地が売却される前に、カプセルを個別に分解し、泊まれるカプセルの個室として活用していく。
泊まれるカプセルだけでなく、国内外の美術館や博物館への再生カプセルの寄贈に取り組んでいく。そのほか、現在の中銀カプセルタワービルの内装写真や実測図などを収めた書籍の制作にも取り掛かる。
また、7月2日にクラウドファンディングをスタート。寄贈用のカプセルの修繕費にあてるとしている。
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