なぜ若者はワクチン接種に消極的なのか 本当の理由と背景:解決法(2/6 ページ)
やがて順番が回ってくるワクチン接種に消極的な若者が少なくない。アンケートではその理由はさまざまだが、「絶対接種したくない」という人はむしろ少数で、あいまいなものが少なくない。その本当の理由と背景をみてみると……。
どうやら2大理由は「副反応」と「ワクチンの安全性/効果」のようだ。ではその理由は客観的に妥当なものなのだろうか。
「副反応が心配/怖い」というのは分からないでもない。稀だがアナフィラキシーショック症状が生じることがある。しかしその確率は極端に低く、ファイザー社製ワクチンの場合で(疑い事例を含めても)23,245,041回接種中1,407件、すなわち0.006%だ。モデルナ社製ワクチンでも440,278回接種中4件しかない、すなわち0.0009%だ(いずれも厚労省ホームページより)。過去に何らかのアナフィラキシーショックを経験した人はともかく、そうでない人が心配する数字ではない(それより交通事故に遭う確率のほうが2〜3桁高い)。
それ以外の副反応についてはどうか。ワクチン接種の報道にはほぼ毎度「〇〇人に発熱などの副反応が出た」などと付け加わっていたので、まるで今回のワクチンの副反応に関しては相当深刻なもののように映る。
しかし具体的な副反応の内容を調べると「だるくなる」「熱が出る」「注射した部分に痛み」などのさまざまな症状が挙げられているが、いずれも深刻なものではなく、しかも大抵翌日には治っている。体が抗体を作る際に発熱することが多いのだが、ウイルスに感染したのではないため害はない。いったん抗体を作ってしまえばこれらの副反応は終息する。よほど熱を早くひかせたい人は市販の解熱剤を使用して問題ない。
ちなみに1度目よりも2度目の接種によってより多くの抗体が作られるので、2度目の接種の後のほうが副反応は強めだ。1度目の接種で多少重い副反応が出るケースが時にあるが、そのうち何割かは「実は過去に感染していた」という可能性があると疑える。
一方、この程度の副反応を恐れてワクチンを打たずに万一感染した場合にはこんな生易しいものでは済まない。若者は症状が軽いとか無症状であると信じている人が未だに多いが、日本でも流行し始めたインド株にかかれば、若者も結構発症するし重症化もする。実際、英国での急激な感染の再拡大はまさに若者が「流行の中心」だそうだ。
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