「民泊」が盛り上がる? 欧米の「今」と日本の「これから」:世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)
再び緊急事態宣言に突入した。インバウンド需要はほぼ消滅し、多くの宿泊施設は苦戦しているわけだが、そうした中でもとある民泊は好調だという。どういうことかというと……。
民泊を楽しむ人たち
その話を確認するために、さまざまな現地報道を見てみると、確かにビジネスイベントの情報が多い。コロナ前にはコンベンションなどのイベント市場は110億ドルほどあったが、21年はコロナ前の数年よりもイベント数が多くなりそうだとの報道もある。また記事では、冒頭で触れた欧州選手権のように、多くの参加者がマスクをしないでコンベンションに参加している写真が掲載されており、日本との温度差を感じる。
コロナが落ち着いて旅行者などが戻っている中で、民泊ビジネスも大変な活況になっているのである。一軒家などの民泊を仲介するVrvo(バーボ)はかなり好調で、創業25年で過去最高の売り上げを記録しているという。
しかもそれに合わせるかのように、ネットフリックスでは最近『世界で極める! 魅惑のバケーションレンタル』(海外では、民泊のことをバケーションレンタルと呼んでいる)という番組が始まった。番組によると、世界で「300万軒のバケーションレンタル」が利用できるという。ちなみに、番組ではニセコの豪勢な貸別荘などが登場するが、バーボなどではもっと一般的な家が利用できる。
リモートワークに慣れた人たちの間でも、長期で民泊を楽しむケースも増えている。例えば数週間、家を借りて、そこで仕事をする。また、一軒家を数人で借りて、リーズナブルに過ごし、コロナ禍のストレスを発散できるパターンもある。
バケーションレンタルの民泊では、施設管理を代行する管理会社が存在している。そうした会社は18年に、世界で11万5000社ほどあったが、21年には14万社を超えているという。減るどころか増えているのだ。
CNNで紹介されているグローバル市場調査会社グランドビューリサーチの調査によると、この民泊ビジネスは、27年に1140億ドル規模の市場になると予想されている。
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