ビフォーアフターで見る、「目標管理」1on1の失敗例「課題を丸投げしてしまう上司」編:人事側のポイントも解説(5/5 ページ)
多くの企業が取り組む「目標管理」制度だが、なかなかうまくいかないケースも多い。その理由は、マネジャーと部下の間の温度感の違いにも起因する。では、どうすればいいのか。実際にあった1on1を基に振り返る。
ポイント(2)目標管理シートを定期的にチェックし、適切な指導を行う
目標管理制度を導入している企業では、「目標管理シート」を使って運用していると思います。人事は、現場で実施している目標管理シートを提出、管理し、また定期的に内容をチェックして、適正な運用ができていない場合は、現場指導を行い修正する必要があります。
「現場の仕事が分からないからチェックなんてできない」――そう感じる人事の方もいらっしゃいますが、目標管理シートは「現場の仕事を理解していなくても見れば分かる」レベルくらいまで具体的にしていかないと、せっかく目標管理をしていても、最終的な評価もできないのです。
目標管理制度の成否は、「適切な目標設定」で8割が決まります。この「目標設定」ができていないケースは非常に多く、人事が必要に応じて指導を行っていかねばなりません。
目標管理制度がうまくいかない原因の多くは、その運用方法にあることが多いのです。制度はあくまで枠組みでしかありません。うまくいかないからといって安易に制度見直しに着手するのではなく、現場で行っていることを理解し、運用まで踏み込んで整理してみることが人事に必要な役割なのではないでしょうか。
著者プロフィール・高橋 実(たかはし みのる)
組織・人事クリエイティブディレクター/マイクロ人事部長
株式会社モザイクワーク 取締役副社長
株式会社ティーブリッジェズカンパニー 代表取締役
法政大学 兼任講師ほか、複数企業の人事責任者として従事。
慶應義塾大学卒業後、株式会社ジェーシービーでインターネット黎明期の新規事業立ち上げに従事、その後NTT、トヨタのクレジットカード事業立ち上げに参画。その後人事に転身し、トヨタファイナンス株式会社、創業100年企業、株式会社HDE(現HENNGE株式会社)で人事部長を歴任したのち、「人事の複業」として複数企業の人事責任者としてハンズオンで企業の組織改革を手掛けている。
新卒、中途、アルバイト採用変革、外国人採用、人事制度改革、女性人材活用、組織改革プランの企画・実行、HR Tech導入、労務実務改革、組織健康戦略、戦略総務(BCP/リスクマネジメント/オフィスファシリティマネジメント)など、企業の中に入ってハンズオンで行っている。セミナー登壇・メディア出演多数。
「高橋実@マイクロ人事部長」としてnoteでも情報発信を行っているほか、Twitter、Linkedinでも活動している
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