コラム
なぜ? なかなか増えない女性管理職 ファクトで読み解く「歪さ」と「根深さ」:政府目標も後ろ倒しに(1/4 ページ)
朝日新聞記事で、「女性活躍」を報じるメディア側でも、女性管理職比率が低いことが明らかとなった。2020年までに30%という目標達成が、30年に後ろ倒しされる中、どうすれば女性活躍は進むのか。
これまで、各メディアは女性活躍推進の必要性を積極的に報じてきたように思います。しかし、そのメディア自身もまた、女性が活躍しづらい体質から抜け出すことに苦労しているようです。
2021年7月1日に朝日新聞が報じた記事「メディア各社、女性幹部わずか 制作物への影響指摘も」によると、全国の民放局の7割で女性の役員はゼロ。地方の系列局や独立局を含めても、女性の役員比率は2.2%にとどまっているとのことです。
内閣府が公表している男女共同参画白書には、女性管理職比率の推移が記されています。
右肩上がりにはなっているものの、その角度は緩やかです。20年に最も多い「係長級」で21.3%。「部長級」だと8.5%で、1割に届かない比率です。このグラフを見ると、先ほどの記事にあった役員比率2.2%という低さは、メディア業界だけの特別な数字ということでもなさそうです。
また、同じく男女共同参画白書には、女性の管理職比率を海外と比較したグラフも公開されています。
こちらのデータによると、日本の女性が占める管理的職業従事者(役員や課長相当職以上など)の比率は13.3%。比較されている国の中で最も低い数字です。
なぜ、日本はこんなにも管理職の女性比率が低いのでしょうか。
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