軽んじると、痛い目に! ナーチャリングがインサイドセールスを支えるワケ:ヴィジュアル系が語る!会社を強くするインサイドセールス(8)(2/3 ページ)
インサイドセールスの活動の一つ、ナーチャリング(顧客育成)。新規営業担当であるインサイドセールスにとって、「はじめまして」の連絡と比べ、ナーチャリングは軽んじられることも多い。しかし、状況が変わると痛い目に合うことも……。筆者の実体験を交え、その重要性を解説する。
そしてインサイドセールスはマーケティングとフィールドセールスの間をつなぐ組織ですから、双方の影響を受け状況が変わることが多くあります。
例えば、マーケティング施策がうまくいかず、想定よりもリードが獲得できなかったとき。新規リードだけに頼っているインサイドセールスでは、リードが枯渇した状況に対応ができなくなります。
もしくは、フィールドセールスのリソースが足りず、限りなく質の高いアポイントだけを設定してほしいという状況になったとき。新規リードの中から、課題が顕在化していて今すぐ導入検討をしている方だけを抽出し、リード数までも担保するのは難しい、というケースがほとんどだと思います。
つまり、新規リードだけに頼っているインサイドセールスでは、マーケティングやフィールドセールスの状況の変化に合わせた、柔軟な対応ができないのです。
このような失敗は、私自身も経験しました。新規リードが安定的に供給され、そこからのアポイントだけでインサイドセールス部の目標数字を達成していたため、ナーチャリング施策を後回しにしてしまっていたことがあります。
その後、上記のようなマーケティング、フィールドセールスの状況変化が起こったときに、ナーチャリング施策を始めたのですが、そもそもナーチャリングはすぐに効果が見込める施策ではないため、数カ月苦戦を強いられてしまいました。
大切なのは、ナーチャリングを日常的に行っておくことです。困ったときに始めているようでは遅いということを、その際に身をもって学びました。
「顧客視点」が重要
ナーチャリングといっても、ただ定期的に電話したりメールすれば良いわけではありません。顧客にとって適切なタイミングで、求めている情報を届ける必要があります。
例えばですが、一律で全リードに3カ月おきにコンタクトする、といった機械的なやり方ですと、タイミングが合っておらず迷惑になってしまうことも多くあります。
できる限り、それぞれのリードに届ける情報もタイミングも最適化を目指した方が良いと思います。
インサイドセールスの基本的な姿勢として、顧客視点を持つことの大事さを本コラムでも何度か書いています。ナーチャリングにおいても、一方的な姿勢では逆効果になりかねません。
顧客にとって本当に有益なのかを常に追求していきましょう。
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