軽んじると、痛い目に! ナーチャリングがインサイドセールスを支えるワケ:ヴィジュアル系が語る!会社を強くするインサイドセールス(8)(3/3 ページ)
インサイドセールスの活動の一つ、ナーチャリング(顧客育成)。新規営業担当であるインサイドセールスにとって、「はじめまして」の連絡と比べ、ナーチャリングは軽んじられることも多い。しかし、状況が変わると痛い目に合うことも……。筆者の実体験を交え、その重要性を解説する。
ステータスの管理、データ整備がここにも生きる
では、どのように最適化していくのかという話をしますが、データの活用が肝になってきます。
SFAやCRMのデータを整備して、いつどのようなナーチャリングを行うのが最適かを判断するためのデータを蓄積できるよう、設計しておきましょう。
具体的には、前回のコンタクト時の反応や、予算のタイミング、検討時期など、ヒアリングできたことなどを正しくデータ入力しておくことが必要です。こうした項目に合わせて、ナーチャリングの内容や時期を決められます。
結果的に、インサイドセールスはコンタクトする対象が増えていき成果が上がりやすくなりますし、顧客にとっても、適切なタイミングで、求めている内容を届けてくれた方が良いはずです。
ナーチャリング手法は限られるからこそ
では具体的にどのようなナーチャリング手法があるのでしょうか?
私が実際に行っていること、また他社の施策で聞いたことがあるもの含め、そんなに珍しい事例はありません。主に、セミナー開催、定期的な個別コンタクト、メルマガ、コミュニティーの運営といった手法が使われています。
大切なのは、突飛な施策をやる事よりも、これらをいかに顧客視点を徹底して、地道に継続して行えるかだと思っています。
例えば私が行っている地道な活動の一つを紹介すると、毎週、業界ごとに分けて、情報としてお役に立てそうなニュース記事をピックアップしてメール配信を行っています。初めは全く反応がありませんでしたが、続けていく内に、お返事をいただける方が増えたり、そこからご相談をいただけることもあります。
信頼構築とは、短期間でできるものではありません。ナーチャリングは中長期的な施策と捉えて、顧客視点を常に意識して行っていきましょう。
それでは、今回はここまでです。最後まで読んでいただきありがとうございました。また来月、楽しみにしていてください!
著者プロフィール・堤貴宏(つつみたかひろ)
ホットリンク マーケティング本部インサイドセールス部。
高校卒業後、世界的に活躍するギタリストMIYAVIに弟子入りし修業した後、 自身もミュージシャンとして活動。赤坂BLITZや恵比寿リキッドルームでのワンマンライブを成功させた実績を持つヴィジュアル系バンド「シリアル⇔NUMBER」に在籍。カラオケDAMやJOYSOUNDに約50曲の収録もされている。
引退後ビジネス界へ転身し、ヴィジュアル系インサイドセールスの活動を開始。Voicyラジオパーソナリティーや、各種ビジネスイベントへの登壇実績も多数。虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された国内最大規模のインサイドセールスカンファレンス「Inside Sales Conference 2019 winter」への登壇や、タワーレコードが主催した「TOWER ACADEMY〜ファンを増やすためのSNS戦略講座〜」にて講師も務めた。
Twitter:@hotto_mihiro
Voicy:聴け、ビジュアル系の叫び
ソロ楽曲:インサイドセールス・ラプソディ/NEWWORLD/インサイドセールス・レボリューション
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