発売2年で10万個! 精密部品メーカーがポケモンの「モンスターボール 虫かご」を製造した理由:3分インタビュー(2/3 ページ)
「ゲットだぜっ!」とつい叫びたくなる虫かごが人気を集めている。精密部品メーカーのキャステムが製造販売する「モンスターボール 虫かご」だ。なぜ、精密部品の会社が虫かごの製造に乗り出したのか、製造元に話を聞いた。
きっかけは「社員の一言」だった
池田: ポケモンも、原作者が幼少時代に楽しんだ昆虫採集が誕生の原点だったと聞いています。SNSではこのようなストーリー性から「ゲームとしての原点回帰」ともいわれるようになりました。
6月には「マスターボール虫かご」(1650円)の販売も開始しました。ゲームでは、戦闘中に使用すると野生のポケモンを必ず捕まえられるボールです。ゲームファンとしては、どちらもそろえたいと考える人も多いようで、発売1カ月で販売数が3万個を突破しました。
――キャステムはもともと、精密部品の製造販売を行う会社ですが、なぜモンスターボール虫かごを制作することになったのでしょうか。
池田: きっかけは社員から「モンスターボール型の虫かごがあったら面白いのでは」といった意見が出たことです。社内には試作品の作成や商談時に活用する3Dプリンタがありますので、それで早速形にして発売元に提案しました。
当社の主軸は精密部品の製造販売ですが、精密鋳造市場は中国企業の台頭による低コスト化や市場の変化などが影響し、国内の企業も年々少なくなっています。これまで磨いてきた技術を一般の人にも知ってもらい、新しい挑戦を進めていきたいとの考えから、2017年からは個人のお客さまを対象とした商品の企画・製造・販売を始めました。モンスターボール虫かごもその一環です。
このような商品は、旬を見逃さないことが大事です。すぐに形にして提案することを心掛けています。時には社長への報告が後回しになることもあります(笑)。
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