「いい行政書士」を見分ける方法は? 企業と行政書士のうまい付き合い方:「コロナ補助金落ち」の防止も(3/4 ページ)
コロナ禍において、政府や自治体がさまざまな補助金や助成金の申請を受け付けていますが、経験の浅い企業では申請が通らないケースも。そこで頼れる専門家が行政書士。コロナ禍をチャンスに変えるため、ビジネスのパートナーとして行政書士を活用する秘訣とは。
単に手続きだけを依頼するのではなく、「こんな事業をやりたいので、一緒に並走してほしい」と声をかけていただきたいですね。
上田氏:行政書士の一番の特徴はゼネラリストであることです。他の士業の場合、登記だったら司法書士、社会保険関係だったら社労士、特許・商標だったら弁理士というようにそれぞれがスペシャリストで、専門分野が分かれています。
行政書士は他の法律で制限をされている領域以外の幅広い業務分野を扱っていますので、中小企業支援の相談役として最初に頼ってほしいですね。行政書士にできる部分は行政書士がやりますし、それ以外の専門領域に関しては協力関係にある士業の先生方に適切につなぎます。
3.「いい行政書士」を見分ける方法
──企業が相談する時に「いい行政書士」を見極める方法はありますか?
伊藤氏:情報の出し惜しみをしない人ですね。「ここから先はお金を出さないと答えません」という自分本位な態度を取るようではいけません。
上田氏:私は事案をさまざまな角度から見ることのできる柔軟性だと思います。加えて、企業の相談に自分が応えられない場合には、その分野が得意な行政書士につなげる人だといいですね。本当はいいビジネスなのにうまく進まなくて機会損失してしまうこともあるので。
東氏:税理士さんにご依頼している中小企業の方は多いと思います。顧問税理士の方とコミュニケーションが取りやすいのであれば、その方に「いい行政書士を紹介して」と相談してみてはいかがでしょう。
まず紹介してもらった行政書士の方に相談してみて、得意分野が違えば別の方を紹介してくれる行政書士の方だといいですね。
──行政書士同士で案件を紹介し合うことはよくありますか?
東氏:すごく多いですよ。行政書士同士は仲がいいです。
上田氏:行政書士と弁護士以外の士業の先生方は基本的には特定分野のスペシャリストであることが多いので、お互い競合になりやすいのですが、行政書士はゼネラリストです。それぞれの事務所が扱っている案件も全然違います。競合というよりも協力者という側面が強いかもしれません。自分が不得意なことは得意な先生に紹介するし、逆に紹介して頂くことも多いです。
東氏:許認可は1万〜2万種類あるといわれています。全てを把握している方はもちろんいないので、それぞれの得意分野があるのです。
伊藤氏:上田先生、東先生のご意見と重複になりますが、「この案件なら私より詳しい人がいるので紹介しますね」と即座に紹介してくれる方はいい行政書士です。
──中小企業とお付き合いされてきた中で、企業側への要望や気を付けてもらいたいことなどはありますか?
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