SDGsが経営にメリットをもたらす、これだけの理由 デロイトトーマツコンサルティング佐瀬社長に聞いた:採用活動にも直結(3/3 ページ)
SDGsという言葉が流行する前から貧困問題や環境問題に向き合ってきたデロイトトーマツコンサルティング代表執行役社長の佐瀬真人氏にインタビュー。話を聞くと、SDGsが経営にもたらすメリットが見えてきた――。
アナウンサーやコピーライター、新聞記者も採用
――以前から社会課題解決に取り組んでいるということですが、最近特に感じた変化はありますか?
コロナがやってきて、多くの企業があらためて原点に立ち返ろうとしている気がします。パーパス経営といった言葉も最近よく聞くようになっていますが、あらためて「自分たちの企業の存在価値って何なんだろう」という基本に立ち戻って、事業やポートフォリオを見直そうという動きが増えていますね。
そのときに「自分たちのやろうとしていることは、SDGsのこの項目に貢献している」などと確認することもできます。そういったコミュニケーションをする上でも、SDGsがより広く通じる共通言語になってきていることのありがたさは感じますね。
――その他に社内でSDGs的な取り組みはしていますか?
多様性を意識して採用活動をしています。例えばノンネイティブジャパニーズ、外国籍などのインターナショナルメンバーが全社員の10%を占めています。
――人材の多様性を担保することによって、どんな経営的メリットがありますか。
国籍やバックグラウンド、専門性の多様なメンバーがチームとして協働することで、異なる視点で物事を捉え、より革新的な価値を提供できるようになります。当社にはコンサルタントに加え、エンジニア、デザイナー、データサイエンティストなど、各分野のスペシャリストが集っており、また前職もコピーライターや新聞記者、アナウンサーと多様です。
例えばクライアントに向けた提案書を作るときは、デザイナーと元・新聞記者や元・コピーライターにも組んでもらいます。そこでデザイナーにはグラフィック面でのイメージの創造を担当してもらう。一方で、文章能力に長けた彼らには、提案書で何が一番言いたいのかを抽出して文章で表現してもらいます。そういった得意分野が違うメンバー同士が組むことで、より創造的な仕事ができるようになるんです。
著者プロフィール
霜田明寛(しもだ あきひろ)
1985年東京都生まれ。東京学芸大学附属高等学校を経て、2009年早稲田大学商学部卒業。文化系WEBマガジン『チェリー』編集長。『マスコミ就活革命〜普通の僕らの負けない就活術〜』(早稲田経営出版)など、3作の就活・キャリア関連の著書がある。ジャニーズタレントの仕事術とジャニー喜多川の人材育成術をまとめた4作目の著書『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)は5刷を突破のロングセラーに。。J-WAVE『STEP ONE』・SBSラジオ『IPPO』などメディア出演も多く、日々の仕事や映画評、恋愛から学んだことなどを発信するネットラジオVoicy『霜田明寛 シモダフルデイズ』は累計再生回数200万回・再生時間15万時間を突破するなど話題に。Twitter。
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