コラム
定年延長を“強行”してしまった企業の話 人事のプロがあえて「やるべきではない」と忠告したワケ:定年延長のリアル(最終回)(1/3 ページ)
「定年延長を行いたい」というA社に対し、定年延長を行うべきではないという“逆提案”を行ったという筆者。その理由は?
連載:定年延長のリアル
本連載では、高年齢者活用というテーマの中でも企業の関心が最も高いであろう、「65歳への定年延長(あるいは70歳までの雇用)」を取り上げ、各企業の実態に即した定年延長の進め方や、実際に定年延長を行った企業の実例をもとにした成功ポイントを解説します(著者:森中謙介)。
- 第1回:「定年延長」への対応方法 4月の高齢法改正で何が変わる?
- 第2回:定年延長、何から取り組めばいいのか? “放置状態”を脱する、現状分析の方法を伝授
- 第3回:定年延長に向けた人事制度改革(1) 〜賃金改定の実務からジョブ型雇用、同一労働同一賃金、退職金制度の対応まで〜
- 第4回:定年延長に向けた人事制度改革(2) 優秀なシニア人材の“望まぬ離職”に歯止めをかけた会社の成功例
- 第5回:定年延長に向けた人事制度改革(3) 同時に導入「65歳への定年延長」と「70歳までの継続雇用」の成功事例
- 第6回:定年延長に向けた人事制度改革(4) シニア活用を推進しながら、組織の“若返り”も図る方法
- 第7回:定年延長に向けた人事制度改革(5) 退職金の見直し方法 60歳→65歳で増額か? 据え置きか?
- 第8回:想定以上に「組織が高年齢化」 シニア層の“新しい仕事”を創出し、意識を変える方法
- 最終回:本記事
今回で、連載「定年延長のリアル」は終了となります。本連載では一貫して、シニア社員活用を推進していくに当たっては、自社組織の現状分析を深いレベルで行い、課題を幅広く抽出し、自社なりの活用方針を全社的に共有した上で、定年延長および関連する人事制度の改革を検討していく──ということの重要性を解説してきました。
筆者はつい最近、「定年延長を行いたい」というクライアントからのニーズに対して、コンサルティング提案を断念せざるを得ない(厳密には、定年延長を行うべきではないという“逆提案”を行い、契約に至らなかった)という苦い経験がありました。
定年延長の検討に至る前提条件を含め、やや特殊な案件ではありましたが、「定年延長のリアル」について、ある面で深く考えさせられる出来事でした。これまで解説してきた内容を振り返る中で、この事例(A社)について紹介し、本連載を終えます。
10年後、過半数が60歳以上に “高齢化型”A社の事例
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