楽天市場「送料無料化」導入店舗は90%超に 三木谷社長は「絶対伸びる」と自信満々……店舗の本音は?:波紋から2年
楽天は「楽天EXPO 2021」にて一部の店舗から反発があった「楽天市場での一部送料無料化」についての実績を公開した。無料化を導入する出店店舗は9割超え、成長率も未導入店舗と比較して25%高いという。実際に出店店舗はどう思っているのだろうか?
楽天は9月2日、一部の店舗から反発の声が上がっていた「楽天市場での送料無料化」について、「送料無料化に賛同する出店店舗数が90%を超え、実際に送料無料化に対応していない店舗よりも売り上げを伸ばしている」という実績を発表した。楽天市場の出店店舗を対象に、事業戦略を共有するイベント「楽天EXPO 2021」で明らかにした。
送料無料化とは、楽天市場での注文金額が3980円を超えた場合、出店店舗に送料無料を事実上義務付ける施策。同社が19年末に打ち出し、20年3月から導入する計画だった。
出店店舗側が送料を実質、全額負担することになるとして、出店店舗らの任意団体「楽天ユニオン」などから反発の声が出ていた。これを受け、公正取引委員会が20年2月、独占禁止法違反(優先的地位のらん用)の疑いで緊急停止命令を出すよう東京地裁に申し立てたため、楽天が導入を見送った。
あれから2年経ち、同社は21年7月に、強制ではないものの送料無料化を導入した。三木谷浩史社長によると「送料無料化を導入している店舗数」と「導入店舗の流通総額比率」はともに、21年7月時点で90%を突破しているという。
同社は、送料無料化の導入店舗と未導入店舗の成長率の差分も公開。三木谷社長は「導入店舗は未導入店舗と比較して25ポイント高い成長率を記録している。絶対に伸びるのでぜひ導入を検討いただきたい」と力説した。
一方、楽天ユニオンが21年2月に発表した調査によると、「送料無料を導入した理由」として最も多かったのは「送料無料は反対だが、検索などで不利益を被る可能性があったため」(78.4%)や「送料無料を除外申請するのに大変手間がかかるため」(39.2%)などの回答が寄せられていたことが分かった。
三木谷社長は本イベントで「店舗・お客・楽天が『Win-Win-Win』になるようなプラットフォームを実現していく」と強調したが、サービスの成長に欠かせない「出店店舗の理解」は得られているのだろうか。
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