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解散“一転見送り”の菅政権、10月総選挙で株価はどう反応する?古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(3/3 ページ)

実は、衆議院選挙期間中は「株価が上がりやすい」という経験則がある。当初の見込みよりも早く総選挙が行われる可能性が一時的に高まったことから、駆け込み的な買いが入ってきた可能性がある。では、今回の解散総選挙によってマーケットはどのように反応するのだろうか。

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コロナ禍中の選挙、“通例通り”なるか

 そもそも衆議院の総選挙は、厳しい展開となった三木内閣の事例でも株価が上昇したことからも予想できるように、いわゆる“ご祝儀相場”入りしやすいイベントでもある。つまり、総選挙というイベントは、新たな経済政策等の打ち出しが期待できるため、投資家心理としてもポジティブに変わりやすい経験則があるのだ。

 しかし、いくら株価上昇をもたらす可能性が高い衆議院選挙であるとしても、コロナ禍の終息見通しが未だ立っていない状況においての選挙実施は、国民感情の反発を招くリスクもある。

 多くの国民が自粛を余儀なくされる中で、東京オリンピックが開催されたうえに、「引き続き自粛をしつつ、選挙にはしっかり行ってください」というメッセージとして伝わってしまえば、これまでの地方選挙と同様、自民党にとっては大変厳しい選挙展開となることが予想される。これまでの菅政権は、安倍政権のDNAを半ば受け継いだものであり、実質的には安倍前首相の長期・安定政権であることが市場の安心感を支えていた事情もある。

 仮に今回の自民党総裁選や解散総選挙によってその構図が崩れてしまうようであれば、市場の反応も通例通りとはいかない可能性もあるだろう。

筆者プロフィール:古田拓也 オコスモ代表/1級FP技能士

中央大学法学部卒業後、Finatextに入社し、グループ証券会社スマートプラスの設立やアプリケーションの企画開発を行った。現在はFinatextのサービスディレクターとして勤務し、法人向けのサービス企画を行う傍ら、オコスモの代表としてメディア記事の執筆・監修を手掛けている。

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