4年連続の赤字だったアイドルフェス 「@JAM」の仕掛け人は、いかにして黒字化させたのか?:アイドルプロデューサーの「敗北、信念、復活、成功」【後編】(5/5 ページ)
ポップカルチャーフェス「@JAM」の総合プロデューサーを務める橋元恵一さんに、当初は赤字続きだったフェスをいかにして黒字化させたのかを聞いた。
想いなくしては成功しない
以上が橋元さんへのインタビュー内容だ。21年の@JAM EXPOは、8月27〜29日横浜アリーナで開催された。東京での新型コロナウイルスの新規感染者は数千人に及び、全国各地で開催される音楽イベント(フェス)開催による問題も多く報道されたのがこの時期だ。
筆者が@JAM EXPOの会場に足を運び感じたことは「まもる」という言葉だ。運営主催者は規制当局による感染拡大予防ガイドラインを「守る」、ライブに参加するファンは音楽・アーティストを「護る」。開催から2週間後、@JAM公式サイトでは、このイベントによる感染者がいなかったことが報告された。一日でも早く、安全に、安心にライブを楽しめる日が来ることを願うばかりだ。
@JAM総合プロデューサー橋元恵一さんのインタビューを3回にわたりお届けしてきた。ライブ現場の取材を続けていく中で印象に残ったのは、@JAMという大規模なイベントプロデュースだけでなく、幾つもの個別アイドルのプロデュ―スにも関わっていることだ。彼がプロデュ―スしているアイドルグループのGran☆Ciel(グランシエル)のニューシングル「Message!」は、コロナ禍にあってオリコンデイリーチャート1位を獲得した。
想いだけではプロジェクトは成功しない――。これは橋元さんのインタビューで痛いほど伝わってきた。その一方で、「想いなくしては成功しない」こともまた、インタビューをしていて感じたことだ。橋元さんの言う「アイドルシーンをけん引する、支える」という言葉の奥には絶えることのない情熱がある。
著者プロフィール
柳澤 昭浩(やなぎさわ あきひろ)
18年間の外資系製薬会社勤務後、2007年1月より10期10年間に渡りNPO法人キャンサーネットジャパン理事(事務局長は8期)を務める。科学的根拠に基づくがん医療、がん疾患啓発に取り組む。2015年4月からは、メディカル・モバイル・コミュニケーションズ合同会社の代表社員として、がん情報サイト「オンコロ」コンテンツ・マネージャーなど多くの企業、学会などのアドバイザーなど、がん医療に関わる様々なステークホルダーと連携プログラムを進める。「エンタメ×がん医療啓発」を目的とする樋口宗孝がん研究基金、Remember Girl’s Power !! などの代表。
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