“報われない苦労”の元凶 インサイドセールスこそ知るべき「ホリゾンタルとバーティカル」:ヴィジュアル系が語る!会社を強くするインサイドセールス(9)(3/3 ページ)
インサイドセールスの手段を考えるとき、ホリゾンタル/バーティカルという区分けを知ることが重要だ。筆者の失敗談も踏まえながら、どのようにインサイドセールスと向き合うべきかのヒントを紹介する。
私自身、現在もバーティカルに該当するサービスを主に担当しているため、インサイドセールスの新しいやり方を試行錯誤している状況にあります。
どの業界のどのような課題に応える製品・サービスなのかにもよりますが、バーティカルの場合、メールにしても電話のトークにしても、テンプレート化することは非常に難しい場合が多いと感じています。そのため、私のチームでは、個社に合わせたアプローチの精度を上げていくことに注力しています。
そのやり方はいわゆるABM(アカウント・ベースド・マーケティング)と呼ばれる手法に近いです。
個社ごとの課題感をよく考え、相手の所属部署や役職によっても、トーク内容やメールの文面を細かく変えていきます。テンプレート化できるところはテンプレートを活用しますが、基本的に同じトーク、同じメール文面を使うことはありません。
同時に、これは究極系ですが、こちらから電話でプッシュをしなくても、問い合わせに的確に対応していくだけで新規商談を作り出せる形を目指しています。それが難しいのは重々承知ですが、この形に近づいていくべく、インサイドセールスもマーケティングの知見を取り入れていくことが大事だと考えています。
「ひとくくり」でない情報発信を
ホリゾンタル/バーティカルでのノウハウの違いや、バーティカルに特化したインサイドセールスの情報がもっと世の中に出てくると、私も含めて参考になる方が多いのではないかと考えています。
私もリアルタイムで取り組んでいる1人として、日々失敗をしながらも新しい手法や知見を日々見つけていますので、またあらためてこのコラムで紹介できればと思います。ぜひ、インサイドセールスにかかわるみなさまとオープンに情報交換していければうれしいです。
それでは今回はここまでになります。最後まで読んでいただきありがとうございました! また次回、楽しみにしていてください。
著者プロフィール・堤貴宏(つつみたかひろ)
ホットリンク マーケティング本部インサイドセールス部。
高校卒業後、世界的に活躍するギタリストMIYAVIに弟子入りし修業した後、 自身もミュージシャンとして活動。赤坂BLITZや恵比寿リキッドルームでのワンマンライブを成功させた実績を持つヴィジュアル系バンド「シリアル⇔NUMBER」に在籍。カラオケDAMやJOYSOUNDに約50曲の収録もされている。
引退後ビジネス界へ転身し、ヴィジュアル系インサイドセールスの活動を開始。Voicyラジオパーソナリティーや、各種ビジネスイベントへの登壇実績も多数。虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された国内最大規模のインサイドセールスカンファレンス「Inside Sales Conference 2019 winter」への登壇や、タワーレコードが主催した「TOWER ACADEMY〜ファンを増やすためのSNS戦略講座〜」にて講師も務めた。
Twitter:@hotto_mihiro
Voicy:聴け、ビジュアル系の叫び
ソロ楽曲:インサイドセールス・ラプソディ/NEWWORLD/インサイドセールス・レボリューション
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