盗まれないの? 東京の「無人果物店」は、なぜ“48時間”にこだわるのか:週末に「へえ」な話(1/4 ページ)
無人店舗が増えてきた。テクノロジーの進歩や人手不足などが背景にあるようだが、筆者が気になっているのは「無人果物店」である。どんなビジネスを展開しているのかというと……。
「いらっしゃいませ」――。
店内に足を踏み入れると、スタッフからこのように声をかけられる。当たり前すぎるので、いちいち気にしていない人も多いかと思うが、店の中に入っても「しーん」としているところがじわじわ増えてきた。「無人店舗」である。
店内で商品を手にして、そのまま店を出ても決済ができている。カードもスマホも財布も出す必要がない近未来型の店舗もあれば、24時間営業のギョーザ店や古着を扱う店などがある。いずれも店舗という箱を構えていて、その中にスタッフがいない形で運営しているが、個人的に注目しているのは箱がないタイプである。
「はい、はい。地方に行けば、道路の脇などで販売しているやつでしょ。キャベツやスイカなどが置かれていて、それを買いたい人は賽銭箱のようなところにお金を入れるアレね」と思われたかもしれないが、半分合っていて、半分違う。
筆者が気になっている無人販売所の名前は「F STAND(エフスタンド)」。日用品などを企画・販売しているアンサングス アンド ウェブ(東京都豊島区)が展開していて、特徴は3つある。1つめは、飲食店の軒先などで可動式のハンガーラックを置いて、収穫から48時間以内の果物を扱っていること。2つめは、地方で販売しているのではなく、渋谷や目黒といった都内の5カ所で販売していること。3つめは、現金を扱っていなくて、支払いはPayPayかSquareによるクレジットカード決済のみとしていること。
それにしても、なぜ無人販売所を始めようと思ったのだろうか。しかも、果物だけである。エフスタンドを運営している代表の有井誠さんに聞いたところ、キーワードとして「山梨県」が浮かんできたのだ。
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